登坂家の日常。。。3

3-2　〜広臣〜 ページ2

「がーもぅむり」



俺はまだ汗引かないのに
極度の寒がり、冷え性、体温も低いせいだか


筋肉が少なくて脂肪が多い(決してデブなんか言ってねーよ…やっデブではないんだけどな…)からか



変な声上げて



膝曲げて両腕まっすぐ前に出して
バシャンと勢いよくいくかと思いきや



ゆーっくりとしゃがんで
肩まで熱いお湯に入ると



「はあ〜っ、極楽極楽！」



あーあ



なんて顔で笑うんだか



こりゃたまらんわ









・









「ほらっこれ食いたかったんだろ」



さっきシたかったんだもんな



浴槽の縁に座ったまま元気になってるマツタケちゃんを、Aの顔の横に突き出すと



「えーもういらない」



とか言いながら
膝の間に正座して俺を見上げてきたと思ったら



そのまま顔は下に、、、、、



マツタケちゃんで止まった



と思ったら



指でピンピンと弾きながら



「あらー
あたしのマツタケちゃん
ずいぶんとお元気ね」



って なんでそんな嬉しそうなんだよ



ほんと好きな
この『マツタケ』





「ほらー 遊んでないで
食うなら食え」


「えーだってー

あっいいこと思いついた。
広臣下に座って 私潜るから 10秒…やっ20秒はいけ…」


「ばか」



お湯に潜って咥えるってことだろ？



なんでそんな発想になんだか



んな事すれば…



死ぬよ





ったく
いつまでもマツタケをビヨンビヨンさせて遊ばれてるのも辛いし



「よしっベット行くぞ」


「えーーーっ」



不満気にタコになる



「んだよ」


「せっかく気持ちよくしてあげようと思ったのに」


「じゃあベットでやって」


「仕方ないなー」



なんて そんなこと思ってないくせに
嬉しいくせに



素直じゃないね





俺ももう一度Aと向かい合わせに湯船に浸かると



Aは夜空を見上げて



「あっUFO」



勢いよく立ち上がって
空を指差して言うから



「どこ」



俺も立ち上がって聞けば



「へっ騙されたー」



乗ってやっただけなのに
嬉しそうなんだから


俺も真似して



「あっ月落ちた」


「えっ？」



一瞬ポカンとしたAだけど




風呂の水面に映る月を見て



「ほんとだー」



綺麗な裸を惜しみなく晒して、お湯をすくってはしゃいでいる



んな事したって
月は手にはいんないけどな



そんな無邪気な姿が見れて



そんな笑顔が見れて





忙しい中 無理してでも連れてきて良かった
って思うよ

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