登坂家の日常。。。

† ページ9

「あーん」


「はいっ」



クレープを買って、ラフォーレの方からまた表参道に移動してきた


広くて美しい歩道脇の柵に腰掛けながら


広臣のチョコカスタードバナナと私のイチゴと生クリームたっぷりのクレープをお互い食べさせ合う



後ろを見ると、道路わきに駐車してある車は、欧州車ばっか


それらの外車が、ハイブランドのショップが並ぶ街空間を演出するための小道具やアクセサリーのような存在に見える


それが街の景観や雰囲気を全体としてリッチなものにしているようで


ここにいるってだけでセレブな気分になった








当然、クレープを食べているから顔全開な広臣
もちろんジロジロと見られている


でも、開き直って2人して目が合う人にニコニコしてあげると


怒る人はいない
びっくりされるけど、みんな笑ってくれる


声をかけてくる人も居ないし
こうして普通でいられる事にとても幸せを感じた









こうして
平成最後のクリスマスイブからクリスマスを



大切な人とこんな風に過ごせて嬉しい





広臣



これからもずっと一緒にいようね





改めて





「広臣、大好き」





誰が見てようが関係ない





そう言って





「チュッ」





ほっぺにチューすると





ニヤッとした広臣に





「チュッ」





可愛く唇にチューされて





お互い照れて「フッ」っと下を向く





「あーチューしたー」





"もも"くらいの小さな女の子に
指差されて大きな声で言われ





もっと恥ずかしくなる私たち





急に立ち上がった広臣に





「走れっ」





そう言われて
手を引っ張られ





2人で逃げるように走って
表参道の端まで行って





タクシーを止めて乗り込んだ









ただ、表参道のイルミネーションを見ながら歩いて クレープを食べただけだけど





楽しかったね





広臣





連れて来てくれて





ありがとう





「愛してる」

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