登坂家の日常。。。

Christmas ページ8

2018年12月25日





「ちょっちょっちょっと待ってよ」


「んだよ」


「だって…」


「何？」


「だってさ………」


「もーごちゃごちゃ言わない
Aは俺についてくりゃあいいの」


「でも…」


「ったくうるせーな

あのね、俺は

Aの事は、Aの思い通り世間に言うつもりはねーよ

でも隠すつもりもないから

だからー
こそこそなんかしねーし
これからは、堂々といこうってスタンスにしたの

今日なんかせっかくのクリスマスだよ
Aだってここ俺と歩きたかったんだろ


俺もAと普通にここ手を繋いで歩きたかったし
前に来たときは、逃げるように走っちゃったけどな、それはそれで楽しかったんだけど

今日は普通に行こうよ
やっと念願の普通の夫婦らしい事できんだから

なっ」


「うん」





広臣が連れて来てくれたのは
イルミネーションがとても綺麗な表参道


タクシーに乗って行き先を告げた時は「は？」なんてなって、まさかとは思ったけど


そのまさかだった


タクシーから降りて
たくさんの人が行き交う中、立ち止まってそんな話をしていれば


マスクはしていても「あれ？」って感じで見られるうちの旦那



「なんかHIROOMI TOSAKA感丸出しでバレバレなんだけど」


「そりゃあ俺だから
Aこそ登坂A感丸出しだから」


「そっかぁー？」



私はマスクしてるわけじゃないのに
よく分からない会話で笑い合うと


すっと手を握られ
それを広臣のムートンコートのポッケの中に入れられ「ニッ」っとされた


ポケットの中で手を繋いで歩き出すと



「うわー綺麗…」



けやき並木が
シャンパンゴールドの暖かみあるやさしい色で照らされていて思わず出ちゃう



「だなー」





しばらく周りを見ながら歩いているだけで
繋いだ手の温もりと、広臣と2人でってだけで心温まって幸せな気分になった









「よしっクレープ食うぞ」


「うんうん
原宿って言ったらクレープだよね」



そう言い合って
人がたくさんいても気にせずクレープ屋さんに並ぶと



「え？」



前のカップルが振り返ってそんな反応をする


それに私が「にこっ」っとすると
同じように「にこっ」っと笑い返してくれて


なぜか嬉しくなった

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