登坂家の日常。。。

鬼コーチ臣 ページ32

広臣のぶすっとした態度は直人さん、隆二くんにも分かるわけで


みんながなんとなく広臣に気を使ってくれながら、朝食を食べて一旦部屋に戻ってきた





私がゴルフに行ける支度をしている間
広臣はソファでずっと携帯を弄っていて
まったく口をきいてくれない





このままじゃダメだよな



「よしっ」



小さな声で気合を入れて


広臣の隣に座ったけど
素知らぬ顔



「さっきはごめんなさい」



思いきって謝ったのに


無視


もう一度



「ねぇ広臣…ごめん…
ごめんなさい」



それでも無視



そこまで怒んなくてもいいじゃねーか
って逆切れしたくなるのを抑えて





下を向いていると



無視されてるのが
悔しくなってきて涙が出てきた



自分だって無視されたら嫌でしょ



いつも無視はしないでって言ってんじゃん



言いたいことあれば言えばいいじゃん



和樹と間違えられて頭きたって言えばいいじゃん



ってか
噛むほど私が大好きなんでしょ



独占欲の塊なんでしょ





なんて考えてたら



鼻水も出てきた



"ズズっ"っと鼻をすすると





「えっ泣いてんの？バカじゃん」


「だって…」


「もういいよ
ったく」



って立ってどこ行くのかと思ったら



「ほら」



テッシュを取ってきてくれて
渡してくれた









・









それから________________________








クラブハウスに全員集合して
スタート時間までアプローチの練習をしていると





「何でてめぇは言うこと聞かねーんだよ」


「だって…
言う通りにしてるつもりなのに
そうならないんだもん」


「してねーだろが

頭残せって何度言えば分かんだよ
だからみんなトップるの

アプローチもドライバーと一緒だから
最後まで下見てろ
このへったくそが」


「そこまで言わなくても…」





こんな感じでずっと怒鳴られっぱなし



そんな鬼コーチ臣には誰も近寄ってこない



それどころか
みんなドライバーとパターの練習に行っちゃった





もう



広臣とゴルフなんかしたくない



もう



違う人と回りたい



いや



もう



お家に帰りたいよ〜

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