旦那様は登坂広臣 2

盗人父娘 ページ21

ずっとニヤニヤが止まらない広臣
それは、翔太たちが来てくれて嬉しいから


ももがおとなしくテレビの前で座り込んでいるのを
無理矢理抱っこしようとして「いやぁ」言われても笑ってる





思えば
こっちに来てからの広臣って
私と口げんかしてる以外は、ずっとこんな穏やかで優しい顔してる



それって
人の目を気にしない
何を食べようが気にしないでいたりしてるからかな



普段の広臣って
なるべく人目につかないように生活をして
食べるものも身体に良いものって綺麗事言いながら、結局は見た目を気にして質素な物を食べ


そのくせ外に出る時は、気付かれてもみっともなくないように、高価な洋服に装飾品を身に付け


食べる物だって高級なもの
行くところも洒落た場所


すべてが芸能人仕様だもんね



それが
マックだのピザだの平気で食べ
近所のあまり綺麗でない焼肉屋だの、いつもの高級な寿司屋でなく回転寿司まで行っちゃってる


それでも顔プクプクにはなってないし
それどころか、肌艶良くて今のコンディション最高じゃんって感じ



そう思うと
環境って大事なんだってつくづく思う



それに
近所の焼肉屋なんて、値段は安いのにお肉はすごく旨いし


回転寿司だって馬鹿にできないし



何より
野菜が安くて私はびっくりよ
しかもガソリンも安い気するんだよね



こんな東京から1時間くらいの場所で遠くはないのに、こんなにも違うなんて私の地元も捨てたもんじゃないわ








脩たちも仕事から上がってきたし


さぁ



「ももー
お出かけするからお支度しよっか」


「はーい」



テレビに夢中だったのに
ここはシカトじゃないんだ


そんなももは
思い立ったように、立ち上がってダーっと走って、保育園バックをゴソゴソしていたと思ったら


へっ…？



「もも
コンコン出るの？」


もも「んー？
臣パパとおんなし」



そう言って小さなマスクをしたももは
広臣の所までいくと、広臣の手をちょこんと繋いだ



当然、にやける臣パパ
いつもポッケに入れてあるマイマスクをして



ももと手を繋いでいる姿は



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