旦那様は登坂広臣 2

大事な家族 ページ20

まだ店にいる脩夫婦以外の全員をリビングのソファに座らせて


っていつもの4人なんだけど



「はいっちゅうもーく」



ピラピラとずっと持っていたチラシをテーブルに置いて



「今からここに行こうと思いますが、意義ある人」



テレビに夢中なももを除いて
一目見て何か分かるそのチラシに



『意義なし』



全員が答える



「分かりました
でですね、夕飯はここの地ビールレストランにしようと思っていますが

この人は、登坂広臣の真似をした痛い奴ですから
そこはよろしくお願いします」


臣「お願いします」



2人揃って頭を下げる



真「ぶっ
あんたちそれで通ると思ってんの？」



真理ったら吹くな



「それがー
こっちだとマックでもスーパーでもコンビニでも
それこそドンキ行ってもまったく気付かれないんだから

ねー広臣」


臣「そうそう
下手に変装してもってメガネだけなのにな」


「そうなの
だから、今のところバレてるのはお母さんの病院の看護師さんと、保育園のメイちゃん先生だけど、保育園は車で待機だもんね」


臣「そうだよ
メイちゃん先生可愛いから俺は行きてーのに、Aが行かしてくんねーから」


「そんなのあったりめーだ
ただの親戚で通したのに
根掘り葉掘り聞かれたらこっちが困んの」


臣「あーそうですか」



やはりメイちゃん先生気に入ってたか
どこいっても女には目ざといやつ


ばーか





翔「なんかおまえらLA行けなくても
随分と楽しんでるみたいじゃん」


臣「おー
何なら、ずっとここに居てもいいかも」


真「臣は、ももちゃんいるからもあんじゃないの？」


「だよねー
でもそれは私も一緒だな

とにかく大家族最高って感じ」


臣「ただ、ここじゃ俺マスオさんだから
一応気は遣ってんだけど」


「えーっ
広臣、お母さんいないから1番偉そうじゃん」


臣「そりゃあ"臣にぃ"だもん
俺がしっかりしないとだろ」


翔「へー
臣、臣にぃとか呼ばれてんだ」


真「いいじゃん臣にぃ
で、ももちゃんには臣パパでしょ

なんかいいな〜
家族仲良くて」



うん
私もそう思う


こんな賑やかな毎日もいいなって思ってる



でもね
私気付いたんだ


毎日家族同然に一緒にいるあなた達夫婦が
家族以上だって


翔太と真理が、広臣と私にとって家族同様大事だって


だってこの何日間か会わないだけで寂しかったもん


広臣だって同じだよね



広臣を見ると目が合って
嬉しそうに"ニコッ"と笑ってくれた

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