旦那様は登坂広臣 2

まんまと ページ18

「〜♫ブンバボボンボブンバボン
ブンバボボンボブンバボン♫〜」


ももと一緒に朝と夕方見ている"おかあさんといっしょ"


すっかり覚えてしまった"ブンバボン"


可愛く踊るももの隣で
「アルパカパカパカちょっとオカピー」なんてやってれば


じっと見てる冷たい目



「何？
広臣も一緒にやろうよ」


「やだわ」


「えー臣パパもー」



ももに腕引っ張られるも
立ち上がる気はない


顔はニタニタなのに


この前のてっちゃんの"Eダンスアカデミー"の体操も、胡座のまま手だけでやって立ちはしなかったもんね


何恥ずかしがってんだか


子供は、同じ目線で同じ気持ちで遊んでやるのが1番なのに





番組が終わると、そのままテレビの前に座り込んでEテレを見るのが、もものお決まりらしい


ももがテレビに釘付けになったのを確認して



「さて」



夕飯の支度をするのにキッチンへ行こうとすると



「ん？」



ダイニングテーブルに置いてあるチラシに目が奪われる



へーもうやってるんだ
これ年々豪華になってるって噂
クリスマス時期になるとこれ渋滞ができるってもんね


むかーし
広臣と付き合う前に一度行った事あったけど
その頃よりはるかに派手になっている



あ…


そうだ



「これ行きたい人ー」



広臣とももに向かってチラシを見せてみる


当然目をキラキラさせて



「『はーい』」



2人して手を挙げる


よしっ
これは行くしかない



そう思って
チラシ持って脩たちに言いに店まで行くと





「………なんであんたいんの？」


「お母さんのお見舞い来たの」


「あっ今日休みか
まさか1人？」


「まさかー
翔太はガソリン入れに行ってる」


「そっか
わざわざ来てくれたの？」


「なわけないじゃん
ついでよついで」



何のついでだか
わざわざ来てくれたくせに


来るって言ってくれれば、さっき病院行ったから待ってたのに


家でももとテレビ見てる広臣はびっくりするよ



「じゃあさー
これ行こうと思ったんだけど
どうせなら翔太も真理もみんなで行かない？」



チラシ見せれば



脩「やっぱ
ねーちゃん食いついたな有紗」


有紗「うんっ作戦大成功」


「うっわー
これわざとテーブルに置いといたの？」



ニヤニヤしてる弟夫婦の作戦にまんまと引っかかる私


だったら
普通に「行こ」言えばいいのに


もしかして広臣いるから
気を遣って？



そんなのは気にしないでいいから
思いっきり行きましょ

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