旦那様は登坂広臣 2

勘違いマン ページ15

広臣の
「テツヤさんに会った事あったっけ？」に普通に「うん」言ったけど


これ絶対に勘違いしてる



でもさ、そんな怪しい関係なら必要以上に気をつけて、テレビに向かって「てっちゃん♡」なんて間違えてもやらないから


そこは分からないかね
そこまで私は信用ないかね


それはそれで悲しくなるよ


っつーか自分がそうだから、そうにしか思えないんだよ


ぶぁーか





さて
洗い物は終わったし
勘違いマンの誤解を解かないとって


氷の入ったコップを持ってダイニングの広臣の隣に座ると


広臣自らそのコップに焼酎を入れてくれて…


って…
焼酎が広臣の量じゃん、一杯でヘロヘロになるよ


そこに、ほんの少ししか入らない水で割って



「ほれ」


「ん、ありがと」



一応お礼言って
広臣と脩のグラスにカチンとしてから


ぐびっと一口呑む



「ぐぇー濃すぎ」


「そお？」


「うん…」



そりゃそうだろ
そんな意地悪すんな


でもね、こんなんじゃ負けねーよ


だから
ぐーっと思い切って呑んでやると


げぇー……死ぬ





そんなやり取りしてれば、当然脩は何か察知するわけで「俺も風呂入ってこよーっと」って、その場から逃げちゃう



「で？テツヤさんとはどこまでいった？」



それはどこまでの関係って事でしょうか？
やはりあんたの頭ん中はそうなってるんだ


だったら



「ん？どこまでって
最初は日産スタジアムですぐに味スタで
ずっとなくって最近は幕張かな」



それ言うと
一瞬"ん？"って顔したと思ったら
思い出したように「ふっ」っと笑って



「だよなーそうだよなーそっかー

ははっ
だよなー」


「分かった？」


「分かった」



はー良かった
お互いほっとしたところで



「だからあん時２回も行ったの？」


「そう」



あれは…
広臣がオーディション中の夏の暑い時期


前の店の先輩に誘われて真理と行った
「EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY」の日産スタジアム


もちろんEXILEは広臣も私も好きだったから
喜んで行ったんだけれど


その頃は、誰が好きとかなくて
ただ歌が好きだった私


とにかく会場の広さに圧倒され
最初のVICTORYから鳥肌立ちっぱなしで


席は、メインステージには遠いけど、スタンドの一列目で花道はすぐそこってかなりの良い席


そこで目の前で見たてっちゃんがあまりにもね
それで味スタまで行っちゃったって


ただそれだけなんだけど





にしてもだ
こいつの頭ん中どうなってんの？


その壮大なる想像力は感心するよ
ってかほんとバカね

理想より現実→←ガチ…？

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