登坂さん家（ち）

仮病　〜広臣〜 ページ16

・








「……ま…ま…」





あっらー
なぎが起きてきちゃった



いつもは起こさないと起きない
寝坊助のくせに



せっかく朝の一発決めようと思ってたのに
えろAちゃん犯すつもりでいたのに



でも泣かないで偉いじゃん
やっぱ起きぬけはママだけど、それは仕方がない





で、Aママは、、、



急いでケバ女たちの名刺を、、、



どうするか俺見んのね



「捨てていいよ」


「うん…」



とか言いつつ
なぎの手の届かないレンジフードの上に置きやがった



そんなん取っといてどうすんだか
後でポイしとこ









・









家族全員で着替えをしながら



「なぎ。今日はなぎの上履き買いに行こうねー
あしたスクールだもんねー」



Aがそう言ってもなぎは





「…………」





なんも答えない
それより





「なぎの上履きってこの前買ったばっかじゃなかった？」


「それがさ。もう小っちゃいの
なぎはどんどん大きくなんだもんねー」





それでなぎは、、、



俺見んの？




「ん？どした？なぎ」


「……ぽんぽん痛い…」



上目遣いで、お腹を押さえる



が……



最近こんな技を覚えたなぎ
嫌な時は仕込みが入る



Aはだまーって
そんななぎと俺を見てる



なるほど
なぎはスクールに行きたくないんだな



だから上履きもいらないのな





ただ月に数回のスクール
Aも俺も無理に行かせようとは思ってない



でも今まで楽しそうに行ってたのに
やはりいい子ちゃん演じてた？





「そっか、なぎぽんぽん痛いのか
かわいそうに」



そう言って抱っこして
なぎのお腹を摩ってやりながら



「なぎが痛いのパパのお手手にこーい」



で摩ってる手をわざとなぎの目の前に持っていって



「いたたたっ
なぎ、パパのお手手いい子いい子して」


「うん、いい子いい子」



なぎに手の甲を摩ってもらって



「はー痛くなくなった
なぎ、ありがと」


「うんっ」



これでご機嫌になったな



「じゃーあさー
お仕度してパパとママと一緒に歩いてパン屋さんに朝ご飯食べ行こうか」


「うんっ
なぎ。うしゃぎしゃんとアンパンマンのパン食べう〜」



ったくどこが腹痛かったんだか





でも、、、



またAの悩みの種が増えちゃったな



でもまだママと離すのはかわいそうなのかも



ただ、、、



Aママは



呑まなきゃやってらんねーになりそうで



臣パパ怖いよ

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