登坂さん家（ち）

妻の余裕 ページ14

・








あー喉渇いた…


久しぶりに飲みすぎた



時間は7時か
まだなぎは寝てるね



かろうじて二日酔いにはなってないけど
完全に寝不足



気怠い身体を起こして



ふと目に入る
ドレッサーのスツールに無造作に置かれた、広臣が昨日着ていたセリーヌのアウター



自然と手を中に突っ込む…



「ん？」



何これ



「わーお」



なんじゃこの名刺の枚数


匂いの犯人は育毛剤だったけど
やっぱ行ってたか



でもさ
表は普通に営業用だけど


裏は…


なんか みんなてんでんに必死すぎ


でもあなたたちに広臣が連絡することは


あるのかな…？



っつーか
こんなん普通にポッケに入れとくなや


やりちんバカ









・









キッチンのカウンターに座って水分補給しながら


はて
なぜ素っ裸だった？


梅酒飲みながら…


メールの話までは覚えてる


それからどうしたんだっけ？


途中から記憶ないや



だからハリウッド女優みたいに裸にシルクのバスローブ羽織ってみたけど


なんかえっろっ








「おー」



キャバちゃんたちの名刺っていかにもで感動？
みんな写真付きで


でも
みーんな同じ顔じゃん


ってより 最近の子ってこんな顔の子ばっかなんだけど


写真だから加工もあんだろうけど


ほんとにこんな顎尖ってる？
そんなオメメパッチリ？


あたしもこんな顔に生まれたかった








「あ"ーA。水ちょーだい」



やはり
広臣もセクシーヌードにバスローブ羽織りながら起きてきた


なぎが寝坊助だからいいものの
パパもママも全裸じゃ


教育上良くはないよ…ね



それで隣座ってきて
カウンターの上に並べてあるもんまじまじと見出した


けどさ


これ見て何とも思わないのかね



「はい」



サーバーの水を入れてやって
冷たいまんまはよくないから、少しお湯入れて白湯にしてやって


それを広臣がガン見してるその前に置いてやると


その中の1枚だけを手に取って



「こいつ。この写真と実物がまったく違った」


「どれ？」



隣に座ってそれ見れば
たしかに あり得ないほどの目の大きさ



「へーそうなんだ
この中では、このショートのサクラちゃんが可愛いけど この子も？」



お胸を強調したポーズの子



「あーこの子はそのまま可愛かった
でもその胸は偽物だろ」


「んーこの胸はそうかも」



こんな夫が前の日行ったキャバの女の子を
吟味してるなんて


なかなかない夫婦だと思わない？


これが妻の余裕…か？

危険な女　〜広臣〜→←実際は… 　〜you &広臣〜

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