俺らが紫耀を守るから35

9 ページ9

平野side

平「はぁっ、はぁっ…」



初めて発作が起こったのは、収録で大きなミスをしてしまった日の夜、自宅に帰った時だった。

家に着いた瞬間、突然息ができなくなり玄関で崩れた。

俺このまま…とさえ思ったくらい。


その日からそんなことが起こるようになり、睡眠も食事も取れなくなっていって精神的にかなり参っていた。

だから玄樹にバレてしまった時、焦りと同時にものすごく安心したのも覚えてる。



平「はぁはぁっ……げん…きっ…げほっ、ゴホゴホッ」

岩「しょお待ってて！すぐ行くから！」



震える手で玄樹に電話をして、今思えばなんて勝手だったんだろう。

でも玄樹は嫌な顔一つせず、すぐに駆けつけてくれた。



平「ゲホゲホッ」

岩「しょお大丈夫だよー。もう一人じゃないからね」



背中をさすってくれる手に何度感謝したかな。



平「…ごめんな…いつも…」

岩「何言ってんの。俺らメンバーでしょ？」

平「ありがと…」



それからは発作が起きてしんどい時、玄樹が常にそばにいてくれたっけ。
まぁさすがにソロ仕事の時は仕方ないけど。



岩「ねぇ、しょお」

平「ん？」

岩「やっぱりさ…」

平「…ごめん…まだ…」

岩「そっか…」



メンバーへ打ち明けるのをいつまでも先延ばしにする俺を、何も言わずに支えてくれた。






平「…みんな…ごめん…」

神「いや、俺も気づけなくてごめん…」

岸「俺も…」

高「ごめんね」



俺がもっと早く打ち明けていたら、メンバーを傷つけることはなかった。
玄樹が責められることも。
メンバーを信じられなかったのは、全て俺が弱いせい。



平「もっと早く打ち明けるべきだったんだ。俺が玄樹に頼んで内緒にしてもらってた。玄樹は何度も言おうって言ってくれたのに」

岩「しょお…」

平「みんな……ごめんなさい…。なのにこんなこと頼むの、おかしいってわかってる。調子いいってわかってる。でも……俺を、助けてほしい……」



さらにハスキーな絞り出した声で頭を下げた。



永「……内緒にしてたんは許せへん…けど…そんなん当たり前やろ」

平「え？」

岸「支えるに決まってんだろ！」

高「俺ら仲間でしょ！」

平「みんなっ…」



何で俺はみんなを信じなかったんだろう。

久々に円陣を組んで絆を再確認した。


みんな、ありがとう。


end
ーーーーーー
『パニック障害』編、完結です。

ティアラさん、いかがでしたか？

たくさんの評価とお気に入り、ありがとうございました(*^^*)

special day じんくん→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す