俺らが紫耀を守るから32

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岩橋side

岩「みんな遅いな…」



外でベンチに座りながら眠っている廉の様子を見ている。

中に入ったみんなはなかなか出てこなくて、中の様子も見えない。


気になるなぁ。
でもここを離れるわけには…


隣で眠る廉は相変わらず顔色が良くない。
紫耀のことになるとね、廉も考えすぎて体調崩しちゃう時があって。



岩「ふぅ…」

永「んん……しょお…」

岩「れん…」



紫耀の夢でも見ているんだろうか。






ガラッ

神「玄樹、ごめん、れん見ててくれてありがとう」

岩「ううん。それよりしょおは？」

神「…うん、今は眠ってるよ。安静にしてしっかり休めば大丈夫だって」

岩「そっか！よかった」



俺がそう言って微笑むと、神は顔を一瞬引き攣らせた。



神「じゃあ俺がみてるから玄樹は…岩『じんさ、何か隠してるよね』…え？」



長年一緒にいる神宮寺の考えていることは、表情や仕草とかちょっとしたことでわかってしまう。



岩「しょお…何かあったの？」

神「…いや…」

岩「隠さないで教えて」

神「…安静にしてれば大丈夫っていうのは本当なんだ。先生ももう大丈夫って言ってたし」

岩「うん」

神「たださ…その、倒れた理由が…」

岩「理由が？」



なんだろう。
心臓バクバクしてきた。



神「昨日さ、しょうのやつ舞台から落ちただろ？」

岩「うん…」

神「その時に頭をぶつけたんだろうって。たんこぶができてたみたいで、そのせいで麻痺が起きた可能性が高いって」

岩「たんこぶって…！しょお頭はぶつけてないって…」

神「あいつ隠したんだよ、俺らに心配かけたくなくて」

岩「…もう…しょおのバカ」



また心配かけまいと隠したんだ。
逆にそれで俺らがどれだけ心配するか。



岩「じゃあ病気とかじゃないんだね？」

神「うん、それは大丈夫。しょうが隠したことに気づかなかったことがなんか悔しくて…」

岩「心配かけまいとしてることが余計に心配かけてるってわかってないんだよ、ほんと…」



また紫耀に説教しないとだ。



永「…んっ」

岩「れん起きた？」

永「えっ…あっ玄樹…」

神「少しだけ顔色良くなったね。れんもいく？しょうのところ」

永「えっ、しょおの治療終わったん？」

神「うん、今は麻酔で眠ってるよ」

永「よかった」



ホッと息を吐いた廉に安心しつつも、俺と神は目を合わせた。

廉にどのタイミングでさっきの話をするか、だよな。
今は廉も体調良くないわけだし、それでまた無理してもダメだもんね。

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