俺らが紫耀を守るから32

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岸side

看「付き添いの方は外でお待ちください！」

岸「はっはいっ！」



病院についてすぐ、医師の人たちが来て紫耀は治療室へと運ばれていった。


俺は一人廊下に残された。



岸「しょう…」



救急車の中でけいれんが起こることはなかったけど、意識がないままで目が開くことはなかった。

酸素マスクをつけられて、救急隊の方が声をかけていたけど何も変化はなくて。



大丈夫だよな？
何も…ないよな？



岸「…」



廉も前に救急車に乗ったとき、こんな気持ちでいたんだよなきっと。
そりゃあ倒れても仕方ないよ。



バタバタっ



神「岸くん！」

岸「あっみんな…」

高「しょおはっ？！」

岸「…なか」



治療室のすりガラスには、バタバタと忙しくなく動く看護師さんたちの影が見えた。



岩「しょお…」

高「しょおの様子は？」

岸「いや、、救急車の中でも何も変わらなかったよ…意識ないまま酸素マスクつけられて…」

高「…そっか」



紫耀はどうなるんだろうか。

原因は？

一体なんの病気？


知りたいことや疑問はたくさんあった。
けど今は、、とにかく怖い。
紫耀が消えてしまうんじゃないかっていう恐怖で体が震える。



永「しょお…」

岸「れん、、ごめんな」

永「え？」

岸「前、一人で救急車に乗せて。怖かったよな」

永「何言うてんねん…。優太やって乗ってくれたやん…ありがとな」

岸「ああ」



廉、顔色悪いな。
きっと紫耀のことが不安でたまらないんだろう。



岸「大丈夫だよきっと」

永「ああ」



治療が終わるまでの間、まだ朝なのに薄暗い廊下で静かに待った。

結局朝ごはん食べ損ねたけど、腹なんかすかなかった。



神「コーヒーでも買ってこようか…」

岩「そうだね」

神「みんな何がいい？」

岸「なんでもいいよ。ありがとな」

高「俺も…なんでもいい…」

神「れんは？」

永「俺は…いい…」



ずっと座ったままの廉はさらに顔色が良くない。



神「とりあえずなんか選んで買ってくるよ。玄樹、一緒に来てもらっていい？」

岩「うん」



神たちが買いに行ってくれてる間、俺と海人と廉だけ。



高「…れん」

永「…なに？」

高「…ううん」



廉の横に座った海人は廉の手に自分の手を重ねた。
海人なりに励まそうとしてるんだよな。



神「お待たせ」



神と俺がコーヒー、海人にココア、玄樹はミルクティー、廉にはビタミンドリンクを買ってきてくれて、喉がカラカラだった俺は一気にコーヒーを流し込んだ。

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