俺らが紫耀を守るから32

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山田side

山「お疲れ様でしたー」

ス「山田くんおつかれさま！」

山「ありがとうございました！」



顔馴染みのスタッフさんにお礼を言ってスタジオを後にした。

今日は仕事がもう終わりで、スーパーでご飯の材料でも買って帰るかな。




ガタン

山「え？」



廊下の奥から物音。



山「なんの音？」



気になって様子を見に行くと、人が蹲っていた。



山「大丈夫ですか！？」

平「え？」

山「平野？」

平「山田くん…」



顔を上げたらまさかの平野。
っていうか、大丈夫じゃねーよなこの感じ。

顔色は青白くて目はトロンとしている。

しかもやけに厚着だ。
今日は半袖でもいいくらいの気温なのに。



山「平野、ちょっといい？」



うずくまったままボーッと俺のことを見ている平野に構わず、おでこに手を持っていくと案の定。

あっついわ。



山「平野、熱あるだろ。楽屋どこ？」

平「…ねつ？」

山「気づいてなかったの？」

平「…はい」



これだけ熱あって、こんなところで動けなくなっていたのに普通気がつくだろ。
相当余裕がないってことか。



平「あっ、、大丈夫です…。ありがとうございました…」

山「えっ、ちょっ、平野っ…危ないからっ！」



よろよろ立ち上がって一人で歩いて行こうとするから慌てて腕を掴んだ。



山「ダメだって！まだ仕事あるの？」

平「いえ、もうないです…」

山「それなら俺の言うこと聞いて」

平「…でも…」

山「とりあえず俺の楽屋にきて」



支えながら歩かせて、とりあえず俺の楽屋へ。





平「はぁ…」

山「そこ座って。横なってていいから」



ソファを指さすと、ゆっくりと腰掛けた。



山「タオル濡らしてくるからそこで寝ててね」



冷やタオルをおでこに乗せた方がいいだろう。

楽屋を出てタオルを濡らすと、一目散で戻った。




ガチャ

山「えっ、なんで寝てないの？！」



さっきと全く姿勢が変わってない。
ちょこんと座ったままどこかを見ている。

いや、見ているんじゃなくてどこにも焦点があってない。



山「平野、聞こえる？」

平「…え？あ、山田くん…どうしたんですか？」

山「これは…やべぇな」



無理やり横にさせておでこにタオルを乗せた。



平「俺、大丈夫ですけど…」

山「いいから！そのままで」

平「…はい」



ようやく横になってくれて俺もソファの前に腰掛ける。



平「山田くん…」

山「ん？」

平「…センターって、しんどいですね…」

山「え？」



平野…？

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