俺らが紫耀を守るから29

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岩橋side

カ「平野くんと岩橋くん、次ツーショット行きたいからそこ座ってもらえる？」

岩「あっ…わかりました」



スタッフさんにバレたくないからって始めのうちは頑張ってた紫耀も、今ではそんなこと言ってられないくらいしんどそうで。

相当熱上がってるな…

顔も赤くなってきてるからメイクさんに隠してもらってる。



岩「しょお、いける？」

平「…うん、大丈夫…」

岩「俺に寄りかかってていいから」



それでもプロ根性なんだろう。
自力で立ち上がってカメラの前まで歩いていく。



高「あっ、あぶない…」

岸「まじで大丈夫かよっ…」



送り出すみんなは、子どもが初めてよちよち歩きした時のように心配すぎて目が離せない。



永「玄樹、頼んだ」

岩「うん任せて」



とは言ったものの俺も不安なんだけど。



平「うぁっと」

岩「大丈夫？」

平「…大丈夫」



支えるようにして床に座らせた。



カ「じゃあ楽しそうな感じでくっついてみよっか」

岩「しょお、もっとくっついていいよ」

平「うん、ありがと」



触れた身体から伝わってくる体温に苦しくなった。

相当しんどいはずなのに、これだけ笑顔を向けられる紫耀はさすがだ。



岩「…がんばれ」

平「…」



聞こえてるのかもわからないけど、笑顔を作ることに必死なんだと思う。

心の中で何度も「頑張れ」ってエールを送った。



カ「うんいいね。おっけー！」

平「…あ」

岩「おおっ！びっくりした…。しょお、頑張ったね」



OKが出た瞬間体が傾くから正直ビビった。



岩「れーん来て。岸くんも！」

岸「俺はついでかよー」

岩「ほら早く！」



２人に支えてもらって立ち上がらせた。

紫耀はこれで終わりだからあとは帰るだけ…



カ「あーまじか…。わかった。平野くんごめん」

５「「え？」」



カメラマンさんの声に、紫耀以外の５人が思わず振り返った。



カ「平野くんのソロカットで少しミスがあって撮り直したいんだ。ごめんね、いいかな？」



まさかの紫耀のところでミス…

うわぁまじか。



岩「いや…えっと…」

高「しょおはちょっと…」



みんなとっくに気づいてる。
もう休ませないとやばいってことに。



平「…やりますっ…」

永「しょおっ」

平「…大丈夫だから」



俺たちの制止も気に留めず、ふらふらと間をすり抜けていった。



神「…さすがにもうやばくない？」

岸「限界だろ…」

高「倒れちゃうよ…」



でも今は、見守ることしかできなかった。

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