俺らが紫耀を守るから26

初めて友達ができた日８ ページ49

翌日から練習が始まった。

あのあと、廉の押しに負けて少し踊ったら「しょおすげぇやん！」ってめちゃめちゃ驚いてくれて。

なんだか嬉しくなった。

僕にそんな風に言ってもらえるところがあるなんて思わなかったから。




先「じゃあみんなー、いくよー」



先生の振り付けに合わせて踊っていく。
小学一年向けだからやっぱり簡単で、なんか物足りない笑

周りのみんなは苦戦しながらもなんとか踊ってる。



先「少し休憩にしよっか」

男「むずいってー」

女「私できるかなぁ…」



ダンスやったことなかったら難しいに決まってるもん。



紫「はぁ…」

女「平野くん」

紫「えっ！！な、なに？」



座り込んだところを突然話しかけられた。



女「平野くんってダンスうまいねー！」

紫「…え？」

男「それ僕も思った！」

女「上手だったよね！」

紫「あっ、そんな…」



あっという間に周りに人だかり。

どうしよう…こんな状況初めて。
怖い…

思わず俯いていると、よく知っている声が遠くから聞こえてきた。



廉「そうやでー！しょおはな、めちゃめちゃダンスうまいんや！」

紫「えっ、れん？」



どこからやってきたのか、体操着でバタバタと走ってきた。



男「なんでお前がいるんだよー」

女「永瀬くんクラス違うじゃん」

廉「たまたま通りかかったんや！」



体育館へ移動中にホールの前を通りかかったらしい。



廉「しょお、昨日のあれ踊ったりや！」

紫「い、いいっいいっ！！」

女「なにそれ見たい！」

女「踊って踊って！」

紫「いやっ、僕は…」



どうしよう…



廉「しょお、大丈夫や。俺が見ててやるから」

紫「れん……うん」



みんなの前で昨日廉に見せたダンスをやってみる。

周りの目が怖いけど、無我夢中で踊った。



紫「はぁ…はぁ…」



シーーーン…



やっぱりやらなきゃよかっ…男『すげぇ！！』



紫「え？」



顔を上げてみると、みんな目をキラキラさせて僕のことを見ていた。



男「めっちゃすげぇじゃん！もっと見せてよ！」

女「かっこよかったよ！」

紫「…」

女「さっきのここのダンス教えて！」

男「俺らにも教えてよ！」



こんなの、、生まれて初めてで。

みんなの輪の中心に僕がいて、みんなの目に僕が映ってる。



紫「…」

廉「しょお、やったな」

紫「れんっ…」



泣きそうになったところを廉が優しく微笑んで背中を叩いてくれた。



ママ、友達ができるって…こんなに世界が変わるんだね。

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