4 ページ26
神宮寺side
神「…」
永「…」
人が行き交うだけの廊下。
俺も廉も何も発さないから嫌なくらいに静まりかえっていて。
なんでこんなことになったんだと自分を責めたり、今朝の紫耀の慌てた顔がチラついたりして心が苦しい。
紫耀、頼むから帰ってきて。
神「…れん、スマホなってる…」
永「…ぁ…ごめん」
さっきから俯いていた廉は、ポッケでバイブしているスマホを取り出し耳に当てた。
永「はい…ぁ、マネさん…」
相手はマネさんらしい。
永「実は、、しょおが…」
どうやら、スタッフさんから紫耀が来ないと連絡を受け、慌てて廉に電話をしてきたそう。
永「まだ、、手術中で…はぃ、わかりました…」
神「マネさん、なんて…？」
永「仕事落ち着き次第すぐ向かうからって」
神「…そっか」
まだ現実味がない。
何が起きたのか頭が理解しきれてなくて、廉も同じだと思う。
永「なぁ、、じん…」
神「…ぇ？」
再び沈黙が流れ始めた頃、廉が口を開いた。
永「俺がさ、、、もっと早く、しょおを起こしてたら…事故にもあわんかったんやろか…」
神「れんっ…」
そうか…
気づかなかったけど、廉は自分を責めてたんだ。
神「そんなことない。きっと、、しょうの運命だったんだ。今日事故に遭うことは決まってたんだよ」
永「でもっ…俺がっ…」
神「れん、大丈夫。しょうは大丈夫だから…助かる、、絶対に」
永(…コク)
震える廉の背中をさすりながら涙が溢れそうになるのを必死でこらえた。
ここで泣いたらいけない。
信じて待つって決めたんだ。
・
あれから何時間経ったかな。
まだ昼過ぎだから、多分そんなに経ってないのかもしれない。
この時間が嫌だ。
ただ恐怖と不安に押しつぶされそうになるこの時間が。
隣の廉は、少し前から俺にもたれて眠ってしまった。
きっと心が、紫耀がいなくなるかもしれないという恐怖で限界だったんだと思う。
震えて待つくらいなら、いっそ眠ってくれてよかった。
優しく肩を抱いて見上げた先には、いまだ点灯を続けている「手術中」ランプ。
神「はぁ…」
女「あ、あのっ…」
神「えっ？」
急に声をかけられて、気がつくと１人の女性と男の子がそばに立っていた。
神「…はい？」
女「息子を助けてくださった方のご家族ですか？」
神「え…」
女「本当に、、申し訳ありませんっ…！」
深々と頭を下げる女性に、なんのことかわけがわからなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
晴はる(プロフ) - mehi0904love060さん» コメントいただきありがとうございます(*^^*)甘えたの紫耀くんって可愛いですよね！私書いてる側からしてもそれに振り回される周りのみんなにほっこりしたりするんですけど笑まだ書き進めていますのでよかったら読んでやってくださいね(*≧∀≦*) (2022年8月23日 10時) (
レス) id: 2b7aa7cd67 (このIDを非表示/違反報告)
mehi0904love060(プロフ) - 紫耀くんの甘えたにメンバーも他のグループも男だけど可愛らしさに落とされるみんなが面白い。想像がつきます😃また新たな更新待っています。 (2022年8月23日 9時) (レス) @page47 id: cb525dcc9e (このIDを非表示/違反報告)
晴はる(プロフ) - ゆっぴーさん» ゆっぴーさん、コメントありがとうございます。一度お返事させていただいたんですけど、いろんな章にコメントくださってますよね？及川亮くん入れられるかはわかんないですけど考えてはみますので一度コメントいただければ大丈夫ですよ！ありがとうございます(^ ^) (2022年3月14日 19時) (レス) id: 2b7aa7cd67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴー - どのタイミングでも良いので、キンプリメンバーに及川亮クンを入れてください。 (2022年3月14日 18時) (レス) @page36 id: 233a7fa478 (このIDを非表示/違反報告)
晴はる(プロフ) - りいさん» りいさん！コメントありがとうございます！そう言っていただけると、ほんとに書いててよかったなぁ…って思えます(^^)これからも読んでやってくださいね♪ (2020年2月25日 15時) (レス) id: 2b7aa7cd67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：晴はる
| 作成日時：2020年2月10日 0時
