俺らが紫耀を守るから9

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永瀬side

俺とじんはしばらく放心状態だった。

何が起こった？



地震が起きて、紫耀が過呼吸になって、突然部屋を飛び出していって…





飛び出して…





永「じ、じんっ！！しょお探さなっ！！」

神「ハッ！そうだったッ！」



我に返って俺らもすぐに家を飛び出した。

玄関の閉まる音がしてたから、外に出たのは間違いないはず。

夜の真っ暗な道をひたすら走る。




永「しょおーー！！しょおーーッ！！」

神「しょう返事しろーーッ！！」



どうしよ…
あんな状態で一人にしたら…



永「ハァハァ…おらへん、、脚の怪我だってひどいやろうに…」

神「精神だって不安定なのに、早く見つけないとやばいよッ」




あいつが行きそうな場所…

一体どこやねん！




神「あっ、ねぇ廉ッ！病院の方に行ってみよう！」

永「せ、せやなっ！」



とりあえず病院目指して走った。

地震の前あいつはうなされてた。
涙を流してた。

もし、、海人の事故の時の夢を見ていたとしたら、病院に行った可能性が高い。

さっき紫耀を連れて歩いた道を駆け戻る。




神「はぁはぁっ…ぇっ、、廉！あれっ！！」



神が指差した方に目を向けると、足を引きずりながら歩く人影。



神「ちょっと待って、、車道に向かって歩いてない？」

永「やばいっ！！」








永「ハァハァッ…しょおっ！！」

神「お前何やってんだよ！」




トラックが来る手前、車道に飛び出しそうな紫耀をなんとかギリギリで引き止めた。



永「あっぶねぇ…」

神「よかった…」



助けた衝動で歩道に転がっていた俺らは、確認するように紫耀を強く抱きしめた。

体は酷く冷たくて、魂が抜けたみたいに何かをずっと呟いている。




平「俺のせい…俺の…。海人ごめん…俺のせいで海人は、、死んでお詫びしなきゃ…。俺も海人のところに行くから…」

永「しょおっ！しっかりしろっ！」

神「しょう、海人は生きてるよ！助かったんだっ！だからそんな思い詰めなくて大丈夫なんだよッ」




やっと聞けた大好きな紫耀の声。
なのに…

こんな内容なのが悔しい。
ここまで思い詰めてたなんて、助けてやれんでごめん。



神「目覚ましてよ！いつもの逞しくて優しいしょうはどこ行っちゃったんだよ！」

平「ごめんね、、すぐに行くから…海人、、もう少し待っててね…」

永「しょおッッ…このアホッ！(パチンッ！)」

神「廉っ！！」



咄嗟に紫耀の頬をひっぱたいた。

頼むから、いつもの紫耀に戻ってくれよ…！

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