216 ページ47
.
「お腹空いてますよね？
今、何か作りますから。」
「んなことより、」
背を向けた瞬間、
後ろから伸ばされた忠義の腕が
私の胸の前で交差する。
「少し、じっとしとけや。」
耳に微かに触れる唇がそう囁く。
「Aの匂い、落ち着く。」
首筋にかかる息が擽ったくて、肩をすくめた。
大人二人がやっと通れる程度の狭い玄関で、
身動きが取れなくなってしまうぐらい、
チカラいっぱい抱き締められた。
向き合うと直ぐに唇と唇が重なった。
一気に上昇する体温と、
一気に加速する鼓動。
そのせいで体のチカラが抜けていく。
廊下の壁に体重を預けるように寄り掛かると、
私を挟むようにして両手を突いた忠義は
口角を上げた。
「これ、壁ドンやん。」
「ほんとだ。」
二人してクスクス笑い出す。
まさかこんなところで、しかも自然に
2回目の壁ドンをされるなんて
思ってもいなかった。
想いが通じ合った後の壁ドンは
照れ臭いのもあるけど、
この絶妙な距離感が胸を高鳴らせる。
頭を傾けながら近付いてくる唇を、
待ちきれずに私から迎えに行くように
キスをした。
少し驚いた表情を見せた忠義は、
すぐに真顔になって……
「もう一回、Aからして。」
そーやって私を困らせる。
背伸びをしながら顎を上げて
ようやく近付いた忠義の唇目掛けて
キスをしようとした時、
.
ぐぅぅう。
空腹を知らせる重低音が廊下に鳴り響いた。
明らかに私の体内から発せられた音。
「あっ、ご飯炊かなきゃ。」
壁に突いたままになっている忠義の腕の下を
くぐるようにすり抜けて、
キッチンへと駆け込んだ。
玄関の方から「逃げやがったな」って言葉が
混ざってるであろうでっかい溜め息が
聞こえてきたけど…
そんなの、私には聞こえない。
うん。聞こえない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももか(プロフ) - はい！すぐ行きます！！ (2017年3月7日 18時) (
レス) id: 7d3fa96e84 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - ももかさん» パス外しました！良かったら遊びに来て下さい(^_^) (2017年3月7日 17時) (レス) id: 3e375c06ba (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 了解です！待っときますね！ (2017年3月6日 23時) (レス) id: 7d3fa96e84 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - ももかさん» ごめんなさいm(__)m只今修正中で、終わればすぐ公開します！それまでお待ち頂ければ幸いです。 (2017年3月6日 23時) (レス) id: 3e375c06ba (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - パスワードが無いと見れないってなりました。パスワードって教えてもらえますか？？ (2017年3月6日 21時) (レス) id: 7d3fa96e84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千春
| 作成日時：2015年7月14日 23時
