俺らが紫耀を守るから11

6 ページ33

永瀬side

永「いま、咳した…よな？」

高「うん、した」



紫耀に過保護な俺らは、たとえ少しの咳にも敏感に反応する。


恐る恐る紫耀のおでこに手を伸ばした。









ソッ



永「…うわぁ…なんでや…」

高「れん、、まさかとは思うけど…」

永「…はぁぁ…熱でてる」

高「まじかぁぁ…」



なんでや。
さっきまでなんともなかったし、薬効いてきとるし、もう紫耀の体が分からへん…


俺の中でこれまで積み上げてきた「平野紫耀 取扱い説明書」の中には載ってないことが平気で起こる。

ひたすらページ数だけが増えていくやん…




永「海人、とりあえず冷えピタ取ってきてくれへん？あと氷枕と体温計」

高「わかった！」



海人がおってよかった。
さっきまでは意味なくもたれてきたり絡んできたり、少し鬱陶しかったけど。




永「しょおー、しょおー起きれる？」



肩を優しく叩くと、そっと目が開いた。





平「んぅ…ケホ、ケホケホッ」

永「咳出ちゃうな。お熱出てるからちょっとしんどいと思うけどがんばろね」

平「……コホッ」



あかん。
なんかポワポワしてて上の空って感じや。

花粉症と熱で余計にやな。





高「れんっ、持ってきたよ！」

永「サンキュ」

高「みんなにも言っておいた。ゼリーと薬持ってきてくれるって。あれ、しょお起きたんだ」

永「一回起こした。しょお、お熱測ろうな。ちょっと冷たいよ」



紫耀の脇にそっと挟み、優しく押さえながら鳴るのを待つ。









永「ぁぁ…、うん…」

高「ん？あーー…これから上がりそうだね」







「３７.８」






出たばっかにしては高すぎひん？



永「冷えピタ貼るなー」

高「氷枕入れちゃうね」



紫耀は聞こえてるのかどうなのか、ずっとポーッとしててされるがまま。




永「しょお、しんどくない？」

平「……」

永「しょおー？聞こえとるー？」

平「…ん…コホコホッ」

高「なんかポワポワしすぎじゃない？」

永「相当しんどいんかもな」



頰に触れるけど、うーん、、やっぱり熱い。

どの隙に熱出たんや。
ずっと付いてたのに。




永「しょお、しんどかったら寝ていいよ」

平「…れぇ、、ん…」

永「ん？どうした？」




横に屈んで手を握ってやった。




平「ぎゅ…して…」

高「なっ！！！」



なんでお前がびっくりしとんねん…



永「ええよ。体起こしたらしんどなるし横になったまんまな。はい、ぎゅう」

平「やっ…もっとぉ、、」



突然の甘えた発動か。

7→←5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す