俺らが紫耀を守るから51

9 ページ34

神宮寺side

コンコン

ガラッ

神「岸くん、玄樹」

岸「おう」

神「どう？」

岸「いま落ち着いて眠ったところ」


廉の部屋にいたら、看護師さんが駆け込んできたんだ。




看「平野さんが帰るってエレベーターホールに！」

岸「えっ！！」

高「ええっ！！」

神「はっ？！帰る？！」

岩「すぐ行きます！」



それはもう焦った。

岸くんと玄樹が行ってくれて、とりあえず見つけて部屋に連れて行ったとだけ報告が来た。


あれ、頬が…濡れてる…


神「…どうしたんだろ」

岩「…それが、」

神「ん？」

岸「何があったか覚えてないみたいでさ……その、、」


岸くんの顔が曇ったんだけど、なんだろ。


岩「岸くんはわざとじゃなかったんだし」

岸「……うん、でも、、。ごめん、俺、口滑らせた…」

神「え？」

岸「…れんのこと、言っちゃったんだ…」


それで理解した。

頬が濡れてるのは涙だ。

顔が疲れ切ってるのは、泣き喚いたから。


神「…そっか」

岸「そしたら泣きながら過呼吸起こしちゃって、なんとか先生が落ち着かせてくれた」


やっぱり過呼吸なっちゃったんだね。
予想はしてたけど。


岩「でもずっと隠せることでもないしさ…」

神「そうだよな」


目が覚めたらもう一度ちゃんと話したほうがいいと思う。

過呼吸起こすかもしれないってのは怖いけど。







平「…んん」

神「しょう？わかる？」

平「…じん？」


それから一時間後、紫耀は目を覚ました。


平「…ごほっ、、きたの？」

神「え？」

平「…さっき、、岸くんと…玄樹…だったから」

神「あっそうだよね」


ちょっと怖かったけど、さっきあったことを全て話した。

もちろん、廉のことも。


平「…れん、、俺のせい…」

神「それは絶対に違う、れんはしょうのせいだなんて絶対に思ってないよ」

平「…でもっ、俺を助けるために…ゴホゴホっ…」

神「しょう、熱高いからそれくらいにしとこ。しょうのせいなんかじゃ絶対にないから」

平「げほっ、、はぁ…」


熱々の背中をさすってなんとか落ち着かせた。
また過呼吸起こしたらさらに熱が上がってしまうから。


平「…れんに、会いたい…」

神「しょう、今は自分のことを大事にして？れんには明日会わせてあげるから、今日はちゃんと休もう」

平「…会える？」

神「うん」

平「……わかっ、た…」


すぐに人のことばかり心配するのはしょうれんの似てるところで、紫耀はとりあえず熱を下げることだけに集中してほしいから。

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す