俺らが紫耀を守るから43

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高橋side

高「岸くん部屋戻ろ？」

岸「…あー、わかった」



さっきから紫耀のそばにいた岸くんだけど、時折顔を歪めしんどそうにしてたのはわかってた。

ほんと隠し事できないんだもん。

しんどいのに無理してさ。



永「しょおには俺がちゃんとついてるから安心し」

岸「おう、頼むな」



岸くんはもう一度紫耀の手を握ってから俺と一緒に部屋を出た。


廊下には車椅子を押しているカラカラという音だけが響いてた。



岸「…なぁ、海人」

高「ん？」

岸「…俺、どうすればよかったかな」

高「…え？」

岸「…どうしてたらしょうを助けられたんだろ。考えてもさ、、わかんないんだ」

高「…岸くん…」



こんな弱気に消え入りそうな声で話す岸くんは初めてだった。

目の前にある背中がすごく小さく見えて、心の内がそのまま伝わってくるみたいで。



高「岸くんは何も悪くないよ。だから気にしなくていい。いつもの岸くんが俺は好きだよ」

岸「…海人…」

高「…しょおならさ、きっとこう言うんじゃないかな。だって俺もそうだから」

岸「…そうだよな。ありがと」



少し笑ってくれてホッとした。
やっぱり岸くんには笑顔が似合うよ。

それに紫耀はいつも明るくおバカな岸くんが好きだから、きっと悲しむと思うし。



高「ベッド乗れる？」

岸「おう、大丈夫」

高「寝てて大丈夫だよ。疲れたでしょ」

岸「じゃあそうしようかな」

高「うん、また来るね」

岸「おう、じゃあな」



岸くんが横になるのを見届けてから紫耀の病室へと戻った。





永瀬side

永「おう、早かったな」

高「うん。岸くん少し寝るみたいだから戻ってきた」

永「まぁ優太も疲れるよな」



紫耀もぐっすり眠っとって起きる様子は全くない。



ガラッ

神「買ってきたよ」

永「ありがとな」

岩「こっちで食べよ」



テーブルに買ってきてくれたものを広げ、海人らはソファに座って昼飯を頬張ってる。

俺は紫耀のそばの椅子に座ったまま食べてるけど。



岩「しょおは起きたりした？」

永「んーん、寝たまんまやで」

平「…スー…」

高「ほんとにぐっすりだね」



少し起きただけでも疲れてしまうくらい弱ってるんやな。



神「岸くんは戻ったんだね」

高「うん。少し寝るって」

岩「岸くんも疲れたのかな。早く２人の怪我が治ったらいいね」

高「うん、ほんとに」



それから面会時間ギリギリまでおったけど紫耀も優太もそのまま起きる事はなくて、俺らは渋々病院を後にした。

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