俺らが紫耀を守るから43

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有岡side

有「廉くんたち遅いね」

知「うん」



場所を伝え、廉くんと岩橋くんがくるのを待ってるんだけどなかなか来ない。


何かあったのかな。



有「……あっ、、もしもし？」

永(俺です！永瀬です！)

有「廉くんよかった。何かあったのかと…」

永(すんませんっ、有岡くんたち今どこですか？！)

有「えっ？まださっきの場所にいるけど…」

永(今から言うとこに向かってもらえますか？！)

有「わ、わかった！」



すごく焦っている様子が電話から伝わってきて、言われた場所に知念と急いだ。



知「はぁっ、はぁっ、」

有「ついたよ！」

永(中に、、中にいるはずです！俺らも向かいますから！)

有「わかった！先に中に入ってみるから」



ここは、、廃工場か？


寂れた人の気配を全く感じない建物。



ここに、、平野くんがいるって…



知「行こう」

有「うん」



足音に気をつけながら一歩ずつ中へと進む。


一階には誰もいなさそう。



知「階段あった。上行ってみよう」

有「おう、ゆっくりな」



電気がないから窓から入る光だけ。

昼間なのに薄気味悪い。



パリっ、ガシャっ


床に落ちたガラスが踏むたびに音を立てるから、心臓がバクバクしてる。



有「…あっ、部屋がある」

知「ほんとだ…」

有「…ふぅ……よしっ」



手をかけゆっくりと扉を開ける。



ギィィ…




有「……えっ！！平野くんっ！！」

知「平野くんっ！！」



扉を開けた先、両腕をロープで縛られ壁を沿うパイプに繋がれている平野くんを見つけた。



有「平野くんわかるっ？！平野くん！」

知「傷だらけじゃんっ……こんな逃げられないようにロープでくくりつけるなんて…」

有「平野くん目覚ましてっ！」



何度頰を叩いても揺すっても目を覚まさなくて、体がやけに冷えてる。

直感的に病院に早く連れて行かないとまずいと思った。



有「とにかくロープ外そう！！知念っ、救急車！！」

知「わかった！」

有「…くっそ！かってぇっ…」



こんな固く結ばなくてもいいのに。



有「平野くんもう大丈夫だからねっ」



聞こえてはないと思うけど、声をかけ続けて自分の上着を脱いで平野くんに着せた。


とにかく今できることをしないと。
体は冷たいし顔も青白くて、


まるで生きてないみたいな…



いやいや、そんなこと考えるな。



有「廉くん！平野くん見つけたよ！」



とりあえず廉くんには伝え、知念と協力し合いながら平野くんの体を温めて救急車を待った。

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