俺らが紫耀を守るから42

special day 岸くん2 ページ23

紫耀side

紫「ほらみんな起きて〜」

廉「ん〜…眠い…」

紫「ほら起きろ。海人おはよ」

海「しょおにぃおはよ〜」



部屋の数が足りないから廉と海人は同部屋。

廉はそろそろ嫌がる年頃なはずなのに、俺は全然いいよって言ってくれてて。


お父さんとお母さんがまだ生きていた時、元々廉はあんまりワガママを言わないタイプだったんだけど俺らの知らないところでお母さんだけには弱いところを見せていた。


夜中トイレで起きた時、なぜかリビングの明かりがついていて覗いてみたら、泣いている廉と優しく宥めているお母さんがいたんだ。

廉が学校で友達から心無い言葉を言われたみたいで、でも俺らの前では何も言わない。
それを分かって弱さを引き出せるのはお母さんだけだった。

お母さんとお父さんが死んだ時も廉は泣かなかった。
でも俺知ってるよ。夜中一人で写真の前で泣いてたこと。

その時に決めたんだ。俺が守ってやるって。



海人はまだ小さかったし、とにかく泣きじゃくって優兄が抱きしめて慰めてた。
そりゃあそうだよ。だってまだ4歳だよ？
一番お母さんたちに甘えたい年頃なのに。



紫「よく眠れた？」

海「うん！」



今ではこの家の太陽のような存在。

海人が笑ってくれるだけで家の中が明るくなる。
前に兄ちゃんが、ひまわりって海人みたいだよなって言ってた。



紫「ほら起きろ〜」

勇「んー…」

紫「寝るなっ」



とにかく朝が弱いこいつ。

毎日部活も頑張ってるみたいだし仕方ないんだけどね。



勇「しょう兄おはよ」

紫「うん、おはよ」



勇太は兄弟の中で一番家族思いでしっかり者だと思う。

もちろんみんな家族を大事に思ってるけど、サプライズを計画してくれたり、突然お花を買ってきてプレゼントしてくれたり、家事をやってたら疲れてても手伝うよって声をかけてくれたり、とにかく優しいやつ。

あの時はまだ小学生だったけど、「俺も家族を支えるから」って言ってくれた。
しっかりしすぎてたまに心配になるくらい。

弱い所見せてもいいんだよって。



勇「ん？なに？」

紫「ううん、なんでもない」

勇「へんなの」

廉「しょおいくで」

海「朝ごはん〜」



まぁ弟たちの紹介はこんなとこ。

俺にとっては何よりもかけがえのないものが家族で、たとえ命を張ってでも守りたいと思ってる。



こいつらと兄弟でよかったって、産んでくれたお母さんとお父さんには感謝してるから。


ーー
誕生日話のはずがなんかずれてきましたね(^^;)

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