Black and White 3 【名探偵コナン】

No.132 ページ42

帝丹高校の制服も間服でいい具合の季節がやってきた。ふと、帰り道の桜の木を見ると花びらはとっくに散ってしまい、葉桜へと変わり果てた。高校という所にもすっかり慣れ日常の一部になりつつある。そう、課長に言われて通うことになったのがこの全ての始まりだった。
『後に分かると思うが、とりあえずそうしろ』
後に分かるか……組織に潜入捜査をする前に言われた。記憶を思い返してみれば、私が帝丹高校に通うことによって起こった様々なこと。まず、零さんが働いているポアロの上に住んでいる毛利蘭と出会ったこと。そして、彼女を通して江戸川コナンと。更に彼から、灰原哀。もちろん、それがきっかけでシェリーの正体が掴めたと言っても過言ではない。ここから考えれば……まさか課長はこれを読んで……見事に辻褄は合ってしまうのだ。恐ろしいほどの偶然なのか、それとも全ては計算し尽くされたものなのか……それはわからない。そして、帝丹高校の中で唯一私のことを疑った人間、世良真純。彼女は一体何者なのか……


そんなことを思っていると、後ろから足が駆ける音が聞こえてきた。振り返るとそこにはランドセルを背負ったコナンくんと哀ちゃん。
「千晴さんが見えたから……少し聞きたいことがあって……時間大丈夫？」
コナンくんが息を切らしながら私に伝えてくる。哀ちゃんも少し不安げな顔をしながらこちらを見てくる。何事なのか、そう思いながら誰からも邪魔されないよう博士の家へと向かった。

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