luv (ページ11)

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変化ページ11

※嘔吐、過呼吸表現があります。

A

私が病気のことを告げてから瑞稀は変わった。

極端に食べなくなったり食べまくったり。

抱きつく体も細くなったし、ズボンの裾からちらつく足もめちゃくちゃ細い。

目の下のクマも目立ってる。

瑞稀の身体があぶない。

「瑞稀、」

「ん？どした？」

へらって笑うその顔は君の自己防衛の顔。

「痩せちゃったね、最近無理してるでしょ」

「してないよ、だいじょうぶ」

「だいじょぶじゃないじゃん、身体も細くなったしクマも酷いよ、」

「なんもないよ、へいっ……」

トイレへ駆け込んでいく瑞稀を見ると、トイレにしがみついていた。

「おえっ……吐けないっ…！」

吐き気がするのに吐けないらしい。

「はぁっ、はぁっ…」

過呼吸も引き起こしている。

「瑞稀、」

「はぁっ、やだっ、やだ」

「瑞稀、なにがいや？なにがやだ？」

「はぁっ、んっ、わかんなっ、はっ」

「瑞稀、私はだれ？」

「Aっ、はぁ、っ」

「そう、私A、みずきのことぎゅーしてもいい？」

「んっ、してっ、はぁっ」

「わかった、嫌だったら言うんだよ」

「んっ、はぁっ、Aっ、」

「瑞稀、落ち着いて、だいじょぶだから」

「やだっ、A」

「なにがいや？」

「いなくなっちゃうんだも、Aだって、アイツだって、みんな俺からっ、はっ」

瑞稀はまだあの頃の記憶に取り憑かれてた。

強くない、瑞稀は。

キャパオーバーしちゃったんだ。

気づけなかったなんて失格だ。