Quasimodo Ⅱ 【short story】 (ページ29)

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大学3年になる年だ

春から、食欲がなくてみぞおちが窪んだような痛みがずっとあった

でも、今まで健康で病院にかかることも少なかったから

俺はほったらかしにしてた

でも、異常が見つかる。

春に受けた大学の健康診断で、

結果を受け取ったのは6月

血液検査で異常が見つかった

そのまま、精密検査

診断名は、胃がんｰｰｰｰ。

ステージ4で、知らないうちに腹膜にまで転移が進んでいた

なぜ、こうなるまで気づかなかったのか

今更悔やんでも遅いかｰｰｰｰ。

俺は、闘病せずに、自然と最期を迎える選択をした

正直、死ぬなんて、実感、ない

でも、余命は半年

けっこう、あっさり、人って死ぬんだな

まぁ、それでもいいか、後悔ない

大切な人もいないしｰｰｰｰ。

そう思おうとしたか、ふと脳裏によぎる女性の姿がある…。

すれ違いから、半年前に別れた、彼女

あいつ、元気かなぁ

正直、引きずってる

正直、今も、好き

でも…、

別れていてよかったと、今は心から思う

彼氏が死ぬなんて、どっかの悲劇みたいなストーリー

あいつの記憶に残したくない

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