Quasimodo Ⅱ 【short story】 (ページ17)

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スパイス ② ページ17

ソファに座る君の隣に寄り添う様に

俺も腰を降ろす

スーッとした爽やかな匂いがする。

俺は隣の君を見た。

「どうしたの？」

君は首を傾げて俺を見る……。

その仕草が好きだ。

なんだか…グッと来る…。

「いい匂いがする…」

「……あ、もしかして…、私の食べてるアメかな？」

自分の口を指差しながら言う。

「スーッとした匂い…？」

「うん…、ミント味のアメ……」

俺は君の唇を見つめた。

程よい厚み…、赤くて、見るからに柔らかそうで……

美味しそう。

「確かめていい？」

「え…？…んっ！」

返事を聞く前に君の後頭部に手を回し、

引き寄せキスをする。

……少し開いた唇に舌を入れ、

君の舌の上からキャンディを奪い取った。

「 …確かに、このキャンディの匂いだな……」

「私のだよ～！アメ返して！」

「なんか……アメって、やらしい響き……」

「意味が分かんない…(笑)…キャンディの方が、なんだかエッチだよ……(笑)」

「じゃ、キャンディ返して…って、言って」

「ばかでしょ？カイ…(笑)…アメでもキャンディでも……どっちでもいいし…」

横目でチラリと俺を見て微笑む。
……その顔に弱いんだ、俺………。
ゾクゾクする……。

余裕そう、っていつも君は俺を見て言うけど、

俺にとって君の一挙手一投足が、スパイスのように、

刺激的で…、

愛しさとともに男な感情を呼び起こさせる

もう一度君の後頭部に手を回し、その柔らかな髪を指に絡めながら…

引き寄せ、上を向かせる。

……長いまつげ……、

猫みたいによく表情の変わる瞳………

俺をとりこにする。

スッとした鼻筋を視線でなぞって………

やっぱり赤い…その唇に狙いを定める。

目で楽しんでから、

今度はゆっくりと…唇を重ねた……。

「ん……」

舌先で君の口の中にキャンディを送り込む。

二人でキャンディに舌を這わせ、味わう……。

君の柔らかい舌が…、キャンディの爽やかな甘さを倍増させる。

……頭の中が暴走し始める。

重ね合わせた唇の端から、君の吐息がもれる……。

………キャンディが…邪魔だ。

もっと…

君の舌を味わいたい……。

俺は再び君の口からキャンディを奪い取り、唇を離した。

君がトロンと潤んだ瞳で俺を見る。

……俺はその瞳を見ながら……

キャンディを噛み砕いた。

キャンディのように少し甘く、爽やかな反面刺激的に…

肌を重ねる…