Quasimodo 【short story】

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外に出ると、そこはホテルの庭だった


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きちんと剪定されている


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真ん中の方にベンチがあって、その前には噴水がある


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改めて立派なホテルだなぁと感心する


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『あそこ、座ろうか』


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そのベンチを指さして私の手を取ったまま歩き出すゆーきさん



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椅子に座ると、いつ取っていたのか、お水を渡される



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会社では、仕事はできるものの、自身の管理があまり出来てないと笑われるゆーきさん

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鍵を会社に忘れて、退社した後に取りに来てたり


本来休みの日に、出社してたり



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ドジな人、



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頼れる先輩意外に、なにかゆーきさんのこと教えてって言われるとこれが真っ先に出てくるだろう



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そんなゆーきさんだけど、人にはすごく優しくて


いまだって、こうやって私のことを気遣える素敵な人だった




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『今日、改めて綺麗だね』


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突然、そんなこと言ってくるゆーきさん


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普段はお互いの見た目とか、そんな話しないから少し照れくさくなる



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｢私だってそんなに蝶ネクタイ似合う人、初めて見ました笑｣


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そこから、お互いのドレスコードの話になる



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ゆーきさんの蝶ネクタイは、友人のたくやって人がデザインして誕生日にくれたものらしい



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私のドレスの話もした


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普段はあまり、目立とうとしないし、飾ろうともしない


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でも、今日くらいはって調子に乗った話をした

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このドレスを着てること、少し恥ずかしいことも




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『似合ってる』



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そう言って、ゆーきさんは私の手を取った



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今日の、ゆーきさんは、どこまでも紳士だった



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何より



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私はお姫様になったような気分だった



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席から経つ時も、移動する時も、私の手を取りエスコートしてくれる



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｢お姫様になった気分｣


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思ってることを呟いてみる



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