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私たちは会場に向かい、席に着いたが、
明らかに対戦相手の容姿が外国人だった。
そして袴を身にまとっていた。
でもそのせいか、みんなの動揺がこちらに伝わってきた。
外国人っていう免疫がないから、仕方ないのか。
いや、でも、なぜ、千早は泣いてるの？
そして対戦相手は英語で話しだしだ。
男1「(ほんとにこんなにかるたやる人がいるんだね)」
あれ、ネイティヴの話し方じゃない…。
男2「(袴着てんのおれらだけじゃん。まあ目立っていいけどさ)」
男3「(袴じゃなくても一番目立ってんのおれらだろ)」
…そういうことね。
女「(そうよ)」
男4「(誰が一番多くとれるか賭けよーぜ)」
「I see.(失礼ですが、発音がネイティヴとは違うよな…もしかして日本語のほうが得意ですか？)」
男1「やっべ！恥ずかしい！バレてんじゃん」
男2「誰だよ。外人らしくしといたほうがプレッシャーになるって言ったの。中学英語が精一杯なのに」
男3「仕方ねぇだろ！俺、日本から出たことねぇもん」
男1「お前か！」
女「言っときますけど、私の英語はあんたたちよりはマシよ」
相手選手が喧嘩をし出してしまった。
試験官「静かに。札、並べてください」
太一「A、サンキュ」
千早を挟んだ向こうで太一がお礼を言ってきた。
私は微笑みで返す。
男3「日本で育って普通にかるたを好きになったんだ。今日は」
「「「「「よろしくお願いします」」」」」
かるた部「「「…！！」」」
いよいよ、試合が始まる。
私はこれから楽しむだけだ。
相手選手の女の人からかるた好きなのがよくわかる。
楽しくなりそうだ。
「「「「よろしくお願いします、よろしくお願いします」」」」
読手「なにわづに さくやこのはな 冬ごもりーーーー」
集中。
読手「」
しゅっ
西田「みんな、普通にやろう。ただのかるた好きだ」
肉まんくん…。
読手「」
しゅっ
カメラマン「あっ、」
プロデューサー「あ、よく見たら対戦相手の中に神崎Aちゃんがいるじゃん。これはネタになるね。撮っといて」
カメラマン「は、はい！」
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作者名：しのぶれど | 作成日時：2016年10月16日 22時
