赤豹の幼馴染【千切豹馬】 (ページ2)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:632 hit

. ページ2

でかでかとした施設へ入り、中へと足を進める。

お姉ちゃんからもらったマップを頼りに、招待された部屋についた。

『あのー、、帝襟Aです』

恐る恐るドアを押す。

「…あー、君が例の妹か。アンリちゃんから聞いてるよ。
どうぞ入って」

黒髪マッシュ(？)に丸眼鏡の男性に迎えられ
部屋の中へ入った。

「俺は絵心甚八。ここでサッカーの指導を行っている者だ。よろしくAちゃん」

『っあ…どうも…』

「じゃあ早速、選手たちに挨拶してくれ。画面繋げるぞ』

『は！？えっ、はぁ！？』

「やぁやぁ才能の原石ども、ちゅうもーく。

今日はお前らにここのスポーツドクターを紹介する。」

モニター越しに数十部屋分の選手たちの様子が見える。
いきなりすぎて困惑するし、しかも何スポーツドクターって！！

わけもわからず固まるが、思いのほか口は勝手に動いてしまった。

『…こんにちは。帝襟Aです。
今日からここで、みなさんのサポートをさせてもらいます。』

見るからに同年代の私を見てどよめく選手たち。

私は聞いていたが男性しかいないようだし、驚くのも無理はないと思う。

『スポーツ医学の資格は持っていますが、医師免許は持っていません。実践は未経験ですし、みなさんと歳も変わりません

異性ばかりの環境で、しかも未経験の人間に対して
下心があると思っても、素人に口出ししないでほしいと
言ってもらっても大丈夫です。

わたしは「スポーツ医になる」という夢を叶えに来ました。
みなさんを利用することになります。

ですがそれはみなさんも同じ立場ですよね。
私はみなさんを敬いますし、選手として接します！

迷惑をかけるかもしれませんが、私は本気です。
どうぞよろしくお願いします！』

「彼女にはお前らの身体的サポートを行ってもらう。

直接会うことは少ないが、世話になるぞ。」

＿____________________________

ふううぅ……。緊張したし、なんか強めのこと言っちゃったわー。うわぁ…いじめられたくないな…。

嫌な想像ばかりしてしまう自分の唇を噛む。

絵心さんにここの仕組みを教えてもらい、
早速トレーニングの見回りをすることになった。

アドバイスや安全指導に行けと。初対面の人にそんなこと言うなんてかなりの重荷だなー。

最初の部屋は、こっちの伍号棟のチームZ。
一応最底辺という扱いらしい。

そう。「最底辺」。
こんなところにまさか、私の幼馴染がいるとは
思いもしなかった。