人生の階段を踏み外す ページ3
私の一日は、午前に入ったバイトから始まる。私自身、就職せねばという危機感は持っているものの、まだ新しい事に挑戦してみたい、経験してみたいという精神は無くならない。
故に、こうしてダラダラとバイトを続けているのだが。
「これ、くれ」
硝子越しに、チョコレイト菓子を指さした男は、上物の上着に、質のいい帽子を被っていた。
思わず、ほぅ、と息を吐いた。とても整った顔立ちをしていたからだ。薄群青色の瞳に赤朽葉色の髪の毛の
お釣りと共にレシートを渡すと、腕をつかまれる。
「えっ、と、お客様？」
「覚えてねぇか」
正直に頷くと、目の前の男は楽しげにククっ、と喉を鳴らして笑った。カサリと手に紙の感触を覚え、あれ、先刻レシートは渡した筈だと首を傾げる。
「真逆生娘だったとはなァ。ま、謝る気はねぇが、腰は大丈夫か？」
「……えっ、えぇ？」
「じゃあな」
「ちょっ、待って…」
ヒラヒラと手を振り乍ら出口をくぐる男は、最後に一度、私の方を見てニヒルな笑みを浮かべた。手の中に残った紙には電話番号とアドレスと思しきものが書きなぐられていた。
馬鹿だ。何故相手の男の顔を確認しなかったのだろう。知っていたら、避けることなど造作もなかった筈なのに。
悪いのは昨夜小洒落た店で見事に酔っ払った自分で、痴態を晒したであろうそれは、私の後世に残る黒歴史となるだろう。挙句の果てに見ず知らずの男と夜を共にし、花の二十代を棒に振った。
………人生初っ端から踏み外してしまった感が否めない。
.
「あぁ、でも、あんなに綺麗な人に抱かれたならまだいい方だったのかな」
どこぞのオッサンよりマシだ、と、そう思った後に頭を壁に打ち付けた。
違う、そういうことじゃない。愛が存在せず、生産性もない、獣じみた行為は、例え相手が美形であっても、私にとって意味は無いのだ…
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�鶻���(プロフ) - 雨雲さん» 有難う御座います！！以前からということは前作も御覧になって頂けてるのですね、嬉しいですっ！身体の心配有難う御座います。非常に拙い文章ですが、これからも応援して頂けると幸いです。 (2017年3月5日 9時) (
レス) id: 2d5901922f (このIDを非表示/違反報告)
雨雲(プロフ) - 以前から貴方様のかくお話がとても好きで今回もとても素敵です！続きを楽しみにしております、お身体に無理のない程度に頑張ってください応援しております (2017年3月2日 10時) (レス) id: 7502a30552 (このIDを非表示/違反報告)
�鶻���(プロフ) - 和さん» 有難うございます！！劇場版楽しみすぎます……。文スト仲間居るのですが、推しが全く違うので少し悲しいですね(笑) (2017年2月21日 21時) (レス) id: 2d5901922f (このIDを非表示/違反報告)
和 - すごく面白いです！劇場版すごい楽しみです！！文スト仲間出来たらいいのに…リアルで (2017年2月21日 18時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
�鶻���(プロフ) - 蝉さん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです。成る可く短いターンで更新できるよう頑張ります(^^) (2017年2月12日 23時) (レス) id: 2d5901922f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：�鶻��� | 作成日時：2017年2月7日 22時
