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「急に外に連れ出してすいません。タイミング的に今かなぁって。あの子に何かあったのは確かなんです。会社の話をしようとすると泣きそうになるので。でも私には気を使っているからなのか、何にも言ってくれません。だから至さんの方からお願いできませんか?内容は私に教えなくて大丈夫です。…本当は知りたいですけど、それをAが望んでいないと思うので。私がいるとA話さないと思うので、コンビニにでも行ってくるので終わったら連絡ください」
俺にそう言うと、一度部屋に戻り立花に声を掛ける監督。この付近街灯なくて暗いのに監督を1人で外に出すと、真澄とか左京さんとかに怒られる。本当は左京さんとかにLIMEした方が良いんだろうけど、本人の許可なしにここは教えられない。
「では、お願いします」
「ちょっと待って、監督。この辺り暗くて危険だから、今ここで誰かと電話をつないで。何かあってからじゃ遅いから」
頭を下げ出て行こうとした監督の腕を掴み言った。とっさに思いついたこと。電話さえ繋いであれば、もしものことがあってら気づくでしょ?
「私なら大丈夫ですよ!」
似なくて良いところも姉妹そっくりなんだなと、この一言で実感する。
「良いから。監督に何かあって立花とか、左京さんに怒られるのは俺なんだよ。だから俺のことを助けると思って」
「…分かりました」
渋々と電話をかける監督。かけた相手は直ぐに出たらしく、目を見開き驚いている。監督の手から携帯をすり抜き、耳に当てる。
「監督さん、どうした。いきなりしばらく帰れないとか…」
「左京さん、すいません。後で説明はするのでそこには触れないでください。今から俺は立花と2人で話します。それで監督には家を空けてもらいます。でももう外は暗く、危険です。だから…」
「茅ヶ崎、もう良い。大体のことは分かった。ちゃんと解決策を見つけてこい。必要ならここの奴らをうまく使え。無理はすんなよ」
なんとなくだが、電話の向こうで左京さんが微笑んだ気がした。お礼を言い、携帯を監督に返した。
「では今度こそ、行ってきます」
「行ってらっしゃい。終わったら連絡する」
そう言い俺は立花の元に戻る。
「茅ヶ崎、ごめん。迷惑かけてごめん。私、もっと頑張るから。だから…」
涙をながしながら、弱々しく言う立花。休憩室の時と同じように、俺は立花を強く抱きしめた。
「大丈夫だから。謝らないで」
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てら(プロフ) - 自分にも似た様な経験があるので主人公の気持ち痛いほど良くわかります。主人公がまた職場に戻って欲しい気持ち半分、無理しないで欲しい気持ち半分です。この暖かい環境で主人公がまた心から笑える日を楽しみにしています。続き楽しみにしています、頑張ってください! (2019年10月14日 23時) (レス) id: dc9ce9c8b0 (このIDを非表示/違反報告)
ginmikoto(プロフ) - 上司に殺意が湧きました。至さんも千景さんもツートップで推しなので恋愛でどちらかを選ぶなんて、私はおそれおおくて出来ませんね笑。でも、更新すっごく楽しみにしてます!頑張ってください!そして至さんの教育係の人に惚れました。笑 (2019年4月4日 0時) (レス) id: 91596e022c (このIDを非表示/違反報告)
椏萌☆紅弥 - これは泣くな。(確信) この話や読んだら寝ようと思っても続きが気になって更新されてる分全部読んじゃいました笑 頑張ってください! (2018年10月22日 23時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - やばい…たるちもチカちょんもイケメソすぎるて。 (2018年7月1日 20時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 千景さんかっこいい…頑張ってください!! (2018年6月14日 21時) (レス) id: dc516c7501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:李人 | 作成日時:2018年5月12日 10時