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「立花！」
昼休憩後、デスクに戻るとあの上司に呼ばれた。きっと中野さんとの商談の話だろう。話の内容は何となく分かっているのに、右手が震え始めた。息も少ししづらい気がする。私は深呼吸をし、あの上司のもとへ行った。
「昨日の商談、残念だったなぁ。お前は卯木がいないと何にも出来ないみたいだな」
商談に行く前の時みたいに、ニヤニヤとしながら言う上司。何故だか分からないけど、さっきよりも右手の震えが大きくなった。私は力強く左手で右手を抑えた。まだ大丈夫。
「そう言えば中野さんが、お前を担当から外すように今日仰っていたから残りは俺がやるから。あー、お前がミスしたから俺の仕事増えた。部下の尻拭いするのも上司の仕事だから、別にいいけど」
部内全員に聞こえるくらい声を張り、言う上司。私の息が荒くなっていくのが分かる。お願い、耐えて。これ以上、事を大事に出来ない。お願い。
「ま、新規契約は取れたみたいだけど、契約更新を取れなかったら意味無いよなぁ」
今度はバシンｯと音を立てて、デスクを叩く上司。茅ヶ崎はさすがにと立ち上がったけど、また巻き込みたくない。ここで茅ヶ崎が来たら、また迷惑かける。私は茅ヶ崎を睨み、首を振る。上司は自分の世界に入ってるから気づいてない。
「今回の件は申し訳ありませんでした。以後気をつけますので、これからもご指導のほどお願い致します」
いつも通り頭を下げる。急に頭を下げたからなのか、フラフラし始めた。大丈夫。私は強いからまだ耐えられる。ここで倒れたら、皆さんに迷惑かける。また“女だから”って言われる。倒れる訳にはいかない。
「謝ればいいって問題じゃないんだよ！分かってるのか？中野さんは心が広いお方だから、俺が担当に変わることで契約更新してくれた。もし中野さんじゃなかったら？中野さんが許してくれなかったら？お前は先輩達が、必死に取ってきた契約を無くしたんだぞ？なぁ？」
どうせコイツが仕組んだことなんて分かってる。それでも謝り、頭を下げ続ける。タイピング音が聞こえない。皆、驚いて仕事の手をとめてる。迷惑かけてる。早く終わらせないと。
泣いたら長引く。倒れても迷惑かける。そんなこと頭では分かっているのに、体は言うことを聞かない。どんどんと呼吸も荒くなり、手の震えも止まらない。上司に“もう戻っていい”と言われ、歩こうとすると足の力が急に抜けて前に倒れ込む。
「…セーフ？」
茅ヶ崎が急いで来て、支えてくれたみたいだ。
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てら(プロフ) - 自分にも似た様な経験があるので主人公の気持ち痛いほど良くわかります。主人公がまた職場に戻って欲しい気持ち半分、無理しないで欲しい気持ち半分です。この暖かい環境で主人公がまた心から笑える日を楽しみにしています。続き楽しみにしています、頑張ってください！ (2019年10月14日 23時) (
レス) id: dc9ce9c8b0 (このIDを非表示/違反報告)
ginmikoto(プロフ) - 上司に殺意が湧きました。至さんも千景さんもツートップで推しなので恋愛でどちらかを選ぶなんて、私はおそれおおくて出来ませんね笑。でも、更新すっごく楽しみにしてます！頑張ってください！そして至さんの教育係の人に惚れました。笑 (2019年4月4日 0時) (レス) id: 91596e022c (このIDを非表示/違反報告)
椏萌☆紅弥 - これは泣くな。(確信) この話や読んだら寝ようと思っても続きが気になって更新されてる分全部読んじゃいました笑 頑張ってください！ (2018年10月22日 23時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
夢花（仮垢） - やばい…たるちもチカちょんもイケメソすぎるて。 (2018年7月1日 20時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 千景さんかっこいい…頑張ってください！！ (2018年6月14日 21時) (レス) id: dc516c7501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：李人 | 作成日時：2018年5月12日 10時
