#5 ページ42
一虎が止まったのは、ゲーセンの前。
ここが芭流覇羅のアジト。
入り口には、“首のない天使”の名前の通り、天使の絵が描かれている。
その首の先はない。
『…』
一虎に続いて、立入禁止の札を跨いで中に入る。
そこは薄暗い空間で、煙が充満していた。
恐らく煙草だろう、匂いも酷い。
中には人がうじゃうじゃいて、視線が突き刺さる。
「おい、アレ姫じゃん。」
「東卍の姫…」
その声を聞いた一虎が話しかけてくる。
「Aいつから姫になったの？可愛いじゃん、姫。」
『うるさい。それにわたしは姫じゃない。』
「ハハッ、Aはそう言うと思った！」
と、奥に人だかりが出来ているのが見える。
『…？』
近づくにつれて聞こえてくる鈍い音と呻き声。
音で分かる。
誰かが誰かを殴っているんだ。
それをこの人数で囲って見ている？
どういう状況か分からないけど
ここは東卍とはまったく違うということは分かる。
ドスッ
ドスッ
ドスッ
(…東卍の特服？)
その腕には“壱番隊隊長”の文字。
長い髪をひとつに括って、もはや見飽きたその顔。
『…圭介？』
圭介が誰かを殴っているという事か。
静かに視線を下に向ける。
圭介が跨っているその人も東卍の特服を着ている。
金髪と、
黒髪の
ツー…
ブロック………
『!!!!!!』
身体中の血の気が一気に引いていく。
なにを、やって、いるの
圭、介…
圭介が殴っているのは…
圭介の振るう拳の先にいるのは…
近くにいるはずのたけみっちと一虎の会話が遠くの方で聞こえる気がする。
これは踏み絵だと。
(踏み……絵………？)
「東卍から芭流覇羅に宗旨替えするなら、それなりの覚悟が必要だろ？今、場地が殴ってんのは東卍の壱番隊副隊長。場地の一番の腹心だ。」
先日の千冬を思い出す。
“場地さんの力になりたい”
真剣な表情をした千冬の姿…
「壱番隊の副隊長！？」
「東卍は芭流覇羅の敵。神であるマイキーを裏切るなら信じる絵を踏まねぇとな。」
“A！”
って呼んでくれる大好きな笑顔…
『ッ、千冬!!!!!!』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Tmwixx(プロフ) - 奏さん» 更に返信頂いてありがとうございます!!!!励みになります!!頑張ります(๑و•̀ω•́)و (2022年10月30日 14時) (
レス) id: b0a6614095 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - Tmwixxさん» 姫なら……破け、る…www読むにきまってます！更新待ってますから！頑張ってください！ (2022年10月30日 12時) (レス) @page20 id: 59220ffc51 (このIDを非表示/違反報告)
Tmwixx(プロフ) - 奏さん» 奏さん!!コメントありがとうございます!!嬉しいです!!浴衣……破れ…るんでしょう！姫なら!!笑引き続き楽しんで頂けたら幸いです!!これからもよろしくお願いします┏○ﾍﾟｺ (2022年10月24日 21時) (レス) id: b0a6614095 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - めちゃくちゃ良かったです！浴衣って破れるもんなの…？頑張ってください！更新待ってます！ (2022年10月24日 9時) (レス) @page10 id: 59220ffc51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年10月21日 22時
