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「千冬!」
『…?』
と、ここにいるはずのない人の声がする。
振り返ればそこにいたのは圭介だった。
「え、場地さん!?」
『け、圭介なんでここに…って、それより圭介!ドラケンが!』
「あぁ、知ってるよ。三ツ谷から連絡来た。って、お前らはしゃぎすぎだろ、なんだそのお面。」
わたし達の頭に乗っているお面を見ながら圭介が言う。
『お祭りといったらお面でしょ!?』
「あ?祭りといったら焼きそばだろ。」
『いや、焼きそばも食べたけど、って!今はそんな事いいの!
ドラケン捜すの圭介も手伝って!』
「あぁ、千冬、ほら着替えろ。」
と、圭介は千冬に特服を差し出した。
「はい!」
千冬はそれを受け取り速攻で着替えはじめる。
千冬の浴衣姿、写真撮りたかった…
なんて思いながらわたしは圭介に言う。
『圭介!わたしのは!?』
「知らねぇよ!持ってる訳ねぇだろ!」
この役立たず!と、心の中で言ったのに、
「あ!?」
と、返してくる圭介。
心の声読まれた…!
『あぁ!だからこんな事してる暇…』
と、ふと気づく。
ドラケンはエマと一緒にいるんじゃ…?
なんで今まで気づかなかったんだ。
わたしは急いでエマに電話をかけた。
「A!」
電話に出たエマはすぐにわたしの名前を呼ぶ。
『エマ、今どこ?ドラケン一緒?』
「A!ドラケンが…バットで殴られて、今、凄い数の人達と…、!」
エマが話してる後ろでワーワー言ってるのが聞こえてくる。
『そこどこだか分かる?』
「いつもと違う駐車場…」
『分かった。すぐ行く。』
ドラケンが襲われている。
エマが泣いている。
わたしはいてもたってもいられず走り出す。
「おい!A!」
『ごめん、先行く!裏の駐車場!』
わたしはそれだけ伝えて夢中で走った。
エマが言っていた駐車場へ来てみれば大勢の愛美愛主と、
ぺーやん。
そしてそれに対峙しているドラケンがいた。
その後ろの方でエマが泣きそうになりながらそれを見守っている。
『…』
わたしはそこへ走る。
と、ちょうど向こうから三ツ谷とたけみっちが来るのが見えた。
たけみっちが叫ぶ。
「ドラケン君!」
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作者名:Tmwixx | 作成日時:2022年10月10日 9時