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「A、ちょっと来い。」
マイキーの声が聞こえる。
『ちょっと行ってくるね。』
圭介と千冬の元を離れてマイキーのいる所へ向かう。
そこにいたのは、バイクに跨るマイキーとドラケン。
『マイキー、ドラケン。お疲れ。』
「おお。」
『ちゃんと集会に来たわたしを褒めて。』
「…は?」
「今からたけみっち来るから。」
『たけみっち?』
それからすぐ。
向こうの方から三ツ谷が歩いてくるのが見える。
その後ろにいるのはたけみっちとヒナちゃんだった。
「よぉ、たけみっち。悪ぃな。急に呼び出して。」
たけみっちはマイキーの姿を見て固まってる。
いや、総長のマイキーを見て固まってる…かな?
そんなたけみっちにドラケンが話しかける。
「お前なに嫁なんか連れて来てんだよ。」
「すいません。こんなになってるなんて思ってなくて…」
ふたりの会話を聞きながら、多分悪いのはドラケンなのになんであんなに偉そうなのかと思う。
絶対口には出さないけど。
ドラケンがヒナちゃんに近づいていったので、わたしも後をついていく。
「ヒナちゃん、この前は脅かしてごめんな。」
「あぁ、いえ!全然大丈夫です。あの、こちらこそこの前はごめんなさい。」
また謝ってるヒナちゃんになんて良い子なのだろうと改めて思う。
『たけみっち、ヒナちゃん!この間ぶり!』
「Aさん!」
「こんばんは!」
ドラケンの後ろから顔を覗かせれば、笑顔で応えてくれるふたりに自然とこちらも笑顔が零れてしまう。
『いきなりこんなんで驚いたでしょ?誰かに怒鳴られたりしなかった?大丈夫?』
「あぁ、はい、大丈夫です。あの、Aさんも特服なんすね。」
曖昧な返事をしたたけみっちに怒鳴られたんだな。
と思いながら、『当たり前じゃん。』と言おうとしたら、ヒナちゃんに遮られた。
「カッコいいです!」
『っ…!ありがとう、ヒナちゃん!』
なんだこの可愛い生き物は。本日2回目。
ちなみにわたしの特攻服ははじめはみんなと同じ形だったのだが、マイキーの上着の丈が長いのを羨ましそうにしているわたしを見ていた三ツ谷が誕生日にプレゼントしてくれたものだ。
ちゃんとマイキーにお許しを貰っていたあたりが三ツ谷らしい。
その日からこの特服はわたしのお気に入りとなった。
だからとても嬉しい。
好きなものを褒められると凄く嬉しい。
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作者名:Tmwixx | 作成日時:2022年10月10日 9時