ヒメ【東京リベンジャーズ】参 (ページ19)

今日:4 hit、昨日:22 hit、合計:47,056 hit

#5 ページ19

愛美愛主は完全にマイキーの圧に押されている。

誰も何も言えない。

「ごめん、ケンチン。やっちゃった。」

そんな中マイキーが振り向いて言う。

ドラケンはため息をついた後笑って見せた。

わたしもマイキーに
『やっぱり格好いいね！』
って言おうとした時、

視界の隅に長内の手が動いているのが見えた。

その手は近くにあった割れたビール瓶に伸びていく。

『…！』

わたしは咄嗟にマイキーの前へ飛び出る。

ビール瓶を掴んだ長内はまっすぐ突っ込んでくる。

「あぁぁあぁあぁぁ！」

「Aさん！」

いつもなら避けるのだけど、今はマイキーがすぐ後ろにいるから避けられない。

だったら…

『…』

さっき見たばかりの蹴りをイメージのままに繰り出してやろうと集中していたら、目の前に現れたのは大きな背中。

「うらあぁぁ！」

「ドラケン！」

わたしの前に出たドラケンは向かってくる長内を掴んで
お腹に膝で蹴りを入れて止めた。

その体制のまま長内へ言う。

「長内、てめぇがなんで負けたか教えてやるよ。不良の道外れたからだ。女まわしたり親襲ったりよ、やってる事がくそなんだよ。」

そして愛美愛主へ言う。

「いいか、次同じような事してみろ？オレらがとことん追い詰めて殺しに行くかんな？」

「…」
「…」
「…」

「テメェらの頭はウチのマイキーがノシた！文句ある奴いるか！？」

倉庫内に響くドラケンの声。
誰も何も言えない。

「いねぇなら、今日から愛美愛主は東京卍會の傘下とする！」

ウーファンファンファン…

遠くの方からパトカーの音が聞こえてくる。

「やべぇ、サツだ。」

とか言っているドラケンにわたしは言う事がある。

「オレらの勝ちを祝いに来たのか？」

なんて言って笑っているぺーやんとマイキーの声を聞きながら未だ長内を押さえているドラケンに話しかけた。

『ドラケン！』

「あ？なんだよ、A。」

『なんだじゃないでしょ！わたし今、蹴りを入れようとしてたのに、なんで出てきたの！？』

マイキーの蹴りを見た直後であのイメージのまま蹴りをしようとしたのに。

「あ？知らねぇよ。」

『凄く…凄くいい蹴りが出来そうだったのに…！』

「どうでもいいから早く逃げるぞ。」

『どうでも良くないわ！』

ギャーギャー言ってるわたしを無視してドラケンは我先にと逃げ出す愛美愛主に叫んだ。