#4 ページ18
叫ぶたけみっちにマイキーは笑って言った。
「なんで？まだ諦めてねぇじゃん。」
そうだ。
まだ諦めていない。
意識は朦朧としてるしフラフラだけど、
それでもまだ長内に向かっていっている。
まだ諦めていないのならわたしが割って入っていい訳ない。
その時、パーちんの顔面に長内の強烈な一撃が入った。
パーちんは立ったまま動かない。
「おい！こいつ立ったまま気絶してんぞ！」
長内がそう叫ぶと愛美愛主の笑い声が倉庫内に響く。
パーちんの気持ちが伝わってくる。
絶対負けない。
絶対諦めない。
倒れてたまるか。
『パーちん…』
だけど、意識が飛びかかっているパーちんは膝から崩れ落ちる。
倒れかかったパーちんを受け止めたのはマイキーだった。
「ごめん…マイキー。俺…不甲斐ねぇな、」
「何言ってんの？パーちん。お前、負けてねぇよ。」
『…』
マイキーはそのままパーちんをそっと地面におろした。
マイキーの言葉を聞いた愛美愛主がざわめきだす。
「何言っちゃってんだオマエ、」
「どこをどう見たら負けてねぇんだよ！」
「オイ！マイキー！とりあえず土下座！」
「許さねぇけどな！」
「ガキだからって泣いても許さないでちゅよー」
「おしりペンペンしちゃうぞー」
その中をマイキーは長内の元へ歩いていく。
「あぁ？やんのか？マイキー。10秒で殺してやん…」
ドゴンッ！
向かい合ったマイキーは足を横にまっすぐ振り上げて
長内のこめかみに蹴りを入れた。
この蹴りは…！
マイキーが最初にわたしに教えてくれた蹴り。
やっぱり本家は違うなぁ…！！
と、しっかりと目に焼き付ける。
マイキーの蹴りひとつでいっきにテンションの上がるわたし。
これは昔から変わらない。
マイキーの蹴りを喰らった長内は倒れて動けない。
まわりの愛美愛主も目の前の出来事にびっくりしすぎて動けない。
開いた口が塞がらないらしい。
わたしはこの光景を何度も見てきた。
その度に思う。
なんでマイキーに喧嘩売るんだろうって。
いつだって勝つのはマイキーなのに。
「パーちんが負けたと思ってる奴、全員出て来い。オレが殺す。」
静まり返った倉庫でマイキーが言う。
「東卍はオレのモンだ。オレが後ろにいる限り誰も負けねぇんだよ。」
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年10月10日 9時
