ヒメ【東京リベンジャーズ】参 (ページ16)

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「愛美愛主とやる。」

『…』

「お前はなんも分かってねぇ。俺がやるって決めた以上、東卍は愛美愛主とやるんだよ。」

そう、
それが東卍だ。

何より愛美愛主は絶対に許せないし、潰さなきゃいけない。

わたしは昨日それを強く決意したばかりなのだ。

マイキーの言葉を聞いてもたけみっちは退く気配を見せず
頭を地面につけた。
いわゆる土下座というもの。

「俺、退けないっすよ。愛美愛主とやり合ったら東卍は終わります！せっかくマイキー君やドラケン君やAさんと仲良くなったのに、東卍が終わるなんて、俺、嫌っすよ！」

(たけみっち…)

「ホント分かんねぇヤローだな！」

泣いて懇願するたけみっちを更に殴ろうとしたパーちんの腕をドラケンが止めた。

「何すんだよ、ドラケン！」

「たけみっちが退かねぇって言ってんだ。少し愛美愛主調べてみてもいーんじゃねぇの？マイキー。」

「あ？ケンチン、お前東卍に楯突くの？」

「あ？そういう話じゃねぇだろ。」

「そういう話だよ。」

次はマイキーとドラケンが睨み合っている。
空気が重い。

…いや、待って、

『ちょ、ふたりとも、』

「内輪揉めしてるトコ悪ぃんだけどさぁ、〝愛美愛主〟〝愛美愛主〟ってよぉー、ウチの名前連呼すんのやめてくんねぇ？」

「中坊どもがよぉ。」

わたしの言葉を遮って入口から入ってきたのは、赤い特攻服で煙草をふかしたダサいリーゼントの男。

愛美愛主八代目総長、長内だった。

「てめぇは、長内！」

「騒ぐな、カス。」

「てめぇぇぇ」

「君ぃ、2個上なんだからよ、てめぇ様って言えよ。」

「オラァァァ！」

突然目の前に現れた長内にパーちんは殴りかかる。

けど、逆に殴られてしまう。

「はい、所詮中坊レベルー。東京卍會？名前変えろよ、中坊連合によぉ。なんか愛美愛主に喧嘩売るって聞いてなぁ、」

パチン！

長内が指を鳴らすと入口からゾロゾロと白い特攻服を着た人達が入ってくる。

「こっちから出向いてやったワケ。」

数人はバットやら棒なんて持っている。
ヒョロいのばっかじゃん。やらなんやら言いながら。

ざっと50人くらいだろうか。

「マイキーちゃーん！戦争だぁ。」

「…」

『…』

立ち上がったマイキーが歩き出す。
わたしもその後をついていく。

そのままマイキーは長内の前で止まった。