ヒメ【東京リベンジャーズ】弐 (ページ45)

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「お。生きてる。」

少し遅れてドラケンとたけみっちが到着する。

『ほんと、死ぬかと思ったよ。』

「ドンマイ。」

『…』

夕焼けを黙ってみていたマイキーが口を開いた。

「今って、不良がダセェって言われる時代だろ？」

遠くを見ながらマイキーは続ける。

「兄貴の時代はさ、このあたりにも凄い数の暴走族がいてさ。そのへんをチョッカンコール鳴らして走ってた。」

それは小さい頃に見てた景色を思い出してるようで。

「みんな肩肘はってさ喧嘩ばっかして、でも自分のケツは自分で拭いて。そんなヤツらがなんでダセェんだ？」

『…』

マイキーの言葉にわたしも昔を思い出していた。
マイキーと圭介と、真一郎くんについていった日々。
かっこいい人達をたくさん見てきた。

「だからオレが不良の時代を創ってやる。」

「お前もついてこい。オレはお前が気に入った。
花垣武道。」

マイキーが言い終わると、ドラケンが口を開く。

「喧嘩強ぇ奴なんていくらでもいんだよ。でもな、譲れねぇもんのためならどんな奴にも盾つける。お前みたいな奴はそういねぇ。」

「考えとけよ、たけみっち！」

自転車へ向かうふたりは帰るらしい。
わたしも置いていかれないようにふたりについていく。

ふたりみたいにかっこいい事は言えないけれど。
わたしもたけみっちに思った事を。

『今日のたけみっちも、昨日のたけみっちも、凄くカッコよかったよ。』

「あ、ありがとうございます。」

『またね！たけみっち！』

手を振ってそう言えばたけみっちは笑顔で返してくれた。

自転車に乗って待ってくれているふたりの元へ。
そしてわたしは迷わずドラケンの後ろに座る。

「Aはオレの後ろだろ！」

『やだ。絶対やだ！』

「どーでもいいからいくぞー。」

わたしとマイキーの言い合いを右から左に聞き流しながらドラケンは自転車を走らせた。