ヒメ【東京リベンジャーズ】弐 (ページ4)

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時は流れて放課後。
わたしは今、ある教室の前にいる。

今日最後の授業が終わってすぐ教室を出たわたしは、
急いでここへやってきた。

廊下には誰もいないが、
各教室から生徒達の騒がしい声や先生の声が聞こえる。
多分どの教室も帰りのHRとやらの最中だろう。
わたしは廊下の窓からある教室の中を覗き見る。

ここは圭介の教室。

どうせ圭介の学校へ行くのなら。
と、先日パーちん達が教えてくれたガリ勉姿を見に来たのだ。せっかくなら授業をしている姿を見たかったがまぁそこはしょうがない。

(うーん…)

探してみるが見つからない。
と、ここである事に気づく。

もしかしたら千冬くんも同じクラスなのでは…？

一度覗くのを止めて座って考える。
こんな所から覗いていたらただの不審者だ。

ただでさえ初対面で固まってしまってひと言も発せられなかったというのに。
千冬くんの中で変な人枠には入りたくない。

…でも圭介のガリ勉は見たい。

心の中での葛藤に集中していて、周りのクラスが徐々に帰りはじめているのに気が付かなかった。
声をかけらるまで。

「Aさん？」

!!!!!!!!!!

心臓が口から出るとはこの事か。
忘れもしない声。
振り返れば千冬くんが立っていた。

「場地さんから聞いてます！わざわざすみません！」

『い、いえ…』

ど、どうしよう。
圭介いないのに。
早速2人になってしまった上に変な所を見られてしまった。

相変わらずわたしの心臓はうるさいし、
顔は赤い気がするし、
なんか暑い気がするし、
会話が出来る気がしない。

「何やってたんですか？」

『!!!!』

どうしよう。
質問されている。
答えなければ。

『…』

「？」

無言のわたしにこの間と同じく首を傾げる千冬くん。

『!!!!』

首を傾げないで！首を！
それはわざとですか！わざとやってるんですか！
鼻だ！鼻を見て話すんだ！自分！
鼻…鼻…

『えっと…』

『この間の集会で、圭介がガリ勉姿で学校に行ってるって聞いたから、ひと目見ようと…』

わたしは何を言ってるんだろう。
最初の会話がコレってどういうことだ。

くそ…なんもかんも圭介のせいだ。
今度圭介の家行ったらペヤングひとつ食べてやる。