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ツンデレ八重歯 #1 ページ8
わたしはあの日から佐野道場に通っている。
今日も今日とて稽古の日。
白い道着に身を包み少しずつ様になってきた動きをみんなと並んで行う。
通いだして分かった事がある。
万次郎はめったに来ない。
たまに来たと思ったらひとしきり技？を披露して自慢げに帰っていく。
わたしは万次郎の蹴りが見られるので大満足なのだが。
もうひとつ。
万次郎が繰り出す蹴りの数々は万次郎だから出来るという事。
あの日からここに通っている人達を見ているが、
万次郎のように高く跳ぶ人も
止まって見える蹴りをしている人も
一発で相手をのしてしまうくらいの威力を持っている人もいないと感じていた。
つまり、万次郎しか出来ない。
その万次郎の事を先生は天才と言っているのを先日聞いた。
(諦めない…！)
そう決意しながら蹴りを繰り返す。
イメージは万次郎だ。
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年7月23日 10時
