ヒメ【東京リベンジャーズ】壱 (ページ32)

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(ふぅ。こんなもんか。)

荷物を片付けたり日用品を買いに出かけたり
目まぐるしい１日だったが、なんとか片付いてきた。

気が付けば窓の外は夕焼け色だ。

「Aー」

お母さんが呼んでいる。

『どうしたの？』

「ご飯食べる？お風呂先？」

お母さんは寮への挨拶もあるとの事で
今日１日引っ越しの手伝いをしてくれている。

今日はここに泊まって明日には関西の家に帰ってしまう。
久しぶりという事で先程からご飯をたくさん作っている。
とても有り難い。

『うーん…』

ピンポーン…

『？』

まだ何か届いていないものでもあっただろうか。

インターホンを確認するとそこにはよく知っている顔がドアップで映っていた。
慌てて通話ボタンを押す。

『マイキー？』

「お。出た。すげぇなコレ、どうなってんの？」

『どうしたの？』

「お土産持ってきた！」

と、マイキーの顔の横で何かがチラチラ見えている。

『とりあえず開けるね。』

「お。開いた！ケンチーン開いたー！」

え。ドラケンもいるの？
マイキーのドアップだったので見えなかった。

お土産って海に行った帰りにそのまま寄ったのかな？

……特服じゃないよね？

特服でない事を願う。

「A？何か届いたの？」

『いや、マイキーとドラケン？今日のお土産持ってきたって。』

少しすると玄関のチャイムが鳴った。

ピンポーン…

ガチャ

玄関の扉を開けるといつもの私服のマイキーとドラケンが立っていた。

「よっ！」
「おう。」

特服じゃなくて安心した。
みんながみんな俗に言う暴走族を良しと思っている訳でもないだろうし、それに誰が何処で見ているのか分からないのだから。

「はい、お土産！」

マイキーが持っていたぬいぐるみを笑顔で渡してくれる。
可愛いくじらのぬいぐるみだった。

『ありがとう。』

「片付いたかよ？」

『うん、割とね。上がっ「おっ邪魔しまーす」

『…』

上がって行く？と聞こうとしたらマイキーに遮られた。
普通に家の中へ入っていく。

「おい、マイキー！人の家に勝手に上がんな！」

「…？なんで？Aの家はオレん家だろ？」

どこぞのジャイアンか。
…あ、マイキー様か。

「Aも怒れよ。」

なんでわたしがドラケンに怒られるのか。
心外である。

『今更でしょ。ドラケンもどうぞ。』

「ったく、お前はマイキーに甘すぎるんだよ。」

『えぇー、ドラケンには言われたくない。』