ヒメ【東京リベンジャーズ】壱 (ページ24)

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ふと、視線を感じる。

そちらに視線を向けると、圭介と目が合った。

「…マイキーが決めたなら何も言わねェ。」

『…』

恐らくだけど、
マイキー以外の皆は圭介と同じ気持ちだったのだと思う。
だから皆あの時何も言わなかった。

そして今も。
マイキーがそう言うなら、
と、仕方なく受け入れてくれたという所だろうか。

まっすぐこちらを見ながら圭介が続ける。

「何かあったらすぐ言えよ。あと、あんま目こすんな。腫れるぞ。」

ほら、圭介は優しいのだ。

さっきまで仲間外れにした奴となんか口きかないって決めてたのに、調子が狂うではないか。

みんなの元へ行こうとしている圭介を呼び止める。

『圭介。』

「あ？」

『その八重歯、可愛いね。』

「……お前な。」

『ちゃんと応えるよ。皆の信頼に。』

「…」

それでもわたしを受け入れてくれたなら、
その信頼に応えたい。
これは決意だ。

口に出して気づく。
さっきよりも心が重くない。

知らず知らずの内にプレッシャーを感じていたのだろうか。

ソレを少し吐き出して少しだけ軽くなる。

「一人で背負い込むなよ。」

圭介が何か言った気がしたが、
風が吹いて聞こえなかった。

『ごめん、何？』

「いや、何でもねぇ。」

『？え、なに…』

「おーい！場地！A！早く来いよー！」

気になって聞こうとしたら、向こうからマイキーが私達を呼ぶ声と重なった。

「ほら、行くぞ。」

『…うん。』