ヒメ【東京リベンジャーズ】壱 (ページ21)

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いや、待って。

意味が分からない。

今なんて言った？
チームにはいれない？

『なんで？』

「学校忙しそうだから。」

何だそれ。

『そんなの理由にならない。理由はそれだけ？』

わたしが聞くと少し黙ってから
真剣な表情で言った。

「……チームに入ったら、Aが確実に狙われる。」

『…』

それはわたしが女だからか。
それとも弱いといいたいのか。

『だから何？わたしはそんなに弱くないよ。』

わたしはそこらの男より強い自信はある。
目が良いから攻撃だって全部避けられる自信もある。

みんなの足でまといにならないだけの強さはあると思っているけれど、そう思っていたのはわたしだけだったのだろうか。

「Aは弱くねぇ。でも、例えば数人に囲まれて捕まったらどうする？取り返しがつかねぇ事になるかもしれねぇんだぞ。」

『そんなのわたしだけじゃないでしょ？圭介だって囲まれて捕まったらどうしようもないじゃない。』

多分、圭介が言いたい事はこういう事ではないのだろう。
わたしの為を思って言ってくれているのも分かる。

圭介は優しいから。

だけど悔しかった。
認めて貰えていない。

道場でずっと一緒にやってきたのに。
ずっと一緒にやってきた圭介に認めて貰えていないのが何より悔しかった。

わたしと圭介のやりとりをみんなは黙って見守っている。

それがみんなは圭介に賛成しているかのように思えてきて勝手に悲しくなった。

「とにかく、お前はチームにはいれない。」

『そんなの納得出来ない。』

涙が出そうになる。

でもだめだ。

泣いたりなんかしたら負けだ。
絶対に負けない。

ここで引いたら何の為に家族の元を離れて寮にまで入って一人で残ったのか分からないじゃないか。

握った拳が震える。
だけど、視線は圭介から逸らさなかった。

「…」

『…』

どちらも引かないやりとりに見かねてドラケンがマイキーに声を掛けた。

「…どうするんだよ、マイキー。」

「…」

少し間があいてからマイキーが口をひらく。

「場地。」

圭介と共に視線をマイキーへと向ける。

「Aは強ぇから大丈夫だ。」

「！」
『！』

「だけど、場地の言いてぇ事も分かる。だからこうしよう。」