#5 ページ20
みんなが集まったのを確認してマイキーが話しはじめる。
「黒龍ってチーム、知ってる？」
(黒龍って…真一郎くんの？)
自然とドラケンと目が合う。
「めちゃくちゃヒデー奴らって噂は聞くよ？3コ上だっけ？」
三ツ谷が答える。
「なんで相談しねーんだよ、一虎。」
『？』
(一虎？)
「場地に聞いたよ。黒龍と一人でやり合ってんだろ？」
『！』
「え？一虎が黒龍と？ウソ？」
「確かに一虎の地元って黒龍の縄張りか…」
「なるほどね。」
『一人でって…』
この間マイキーと圭介が話していたのはこの事なのかもしれない。
道場でいつになく真剣に2人で話していたのを思い出した。
「まさか、黒龍とやり合う気か？マイキー？」
ドラケンがマイキーに聞くとマイキーは立ち上がって言った。
「そっ。黒龍はでけぇ族だ。やるからには大義名分がほしい。」
(黒龍とやるのか…)
マイキーの事だ。
恐らく真一郎くんとは話をしてあるのだろう。
だったらわたしから言うことは何も無い。
マイキーについていくまでだ。
「俺に案がある！」
そう言って立ち上がったのは圭介だった。
「オレらでチームを創るんだ。」
「…え？」
「チーム？オレらで？」
「ああ！」
(チーム…！)
「へー！面白そうじゃん！」
ドラケンが話にのってくる。
「それぞれのポジションも決めてある。」
え？圭介が決めたの？
大丈夫だろうか。
わたしは何だろう。
「総長は天上天下唯我独尊男 マイキー！」
「ほめんなって。」
ほめ…てるのか？
まぁマイキーがそう言うならいいか。
「副総長は頼れる兄貴肌 ドラケン！」
「みんなのまとめ役 三ツ谷には親衛隊を任せる！」
「旗持ちは力自慢のパーちん！」
「オレとオマエは特攻隊だ！一虎！」
次々とみんなの役割を決めていく圭介。
みんなピッタリだ。
かっこいい！
だけど。
わたしの名前が呼ばれない。
……？
『わたしは？』
不思議に思ったわたしは圭介に聞いてみる。
すると、こちらをまっすぐ見て圭介は言った。
「Aはチームには、いれない。」
『……は？』
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年7月23日 10時
