実行 ページ7
「とは言ったものの…どうすんだよノーマン」
「取り敢えず僕らがされて照れる事、片っ端からやっていこう、その結果から分析するんだ」
何やら賢そうなことを言っているが、やろうとしていることは無謀そのもの。
しかしレイにも“いい案”というものは浮かばないので、ここは大人しくノーマンに従う事にしたようだ。
「もう昼休みは終わったはずだから皆ハウスに戻ってくる、」
「とするとこの階段は必然的に全員が通る事になるな」
「その上Aは年長者、いつものように年少者の靴の履き替え、泥を落としてから一番最後に戸締りをして階段を通る…」
「その一人でいるタイミングを狙うってワケか、成程な…でもエマはどうする、最悪二人で最後尾…なんてことも充分有り得るぞ」
「その時はその時、僕がエマを引きつけて事情を説明するから…レイが頼みの綱だ」
「なんで俺一人なんだよ」
「当たって砕けろ、だよ」
「砕けてたまるか」
「来た、どうやらフィル、シェリーが最前列みたいだ」
二人の切り替えの速さは異常である。
先程まで気を抜いていたはずなのに、打って変わって慎重で、かつ冷静な目。
ただ一つ格好悪いのは動機が動機だ。
否、ここでらしくもなく本気になるのが年相応だと可愛らしい部分でもあるのだろう。
「…エマと二人か、レイの勘が当たったね」
「おいマジで俺一人にさせるつもりかよ…」
「だからもう砕けなよって」
「チッ…だから砕けてたまるかってんだ」
そうレイが言うと、小声で「じゃ」と言ってノーマンはエマ、Aに話しかけに行ってしまった。
「ちょ…」
「やぁエマ、A」
「ノーマン!今日鬼ごっこなんで参加してくれなかったのー!?」
「エマ、ずっと寂しがってたよ?ノーマン」
「そっか…ごめんねエマ、でも今日鬼ごっこに参加しなかった代わりにエマが好きそうなもの見つけたんだ!こっち!」
「え!気になるー!じゃあまたね!A!」
「夕飯に間に合うようにしてねー」
颯爽とレイの横を通り過ぎるノーマンとエマ。
この「Aを照れさせよう」作戦にエマという仲間が加わるか加わらないかは今のレイにはどうでもいい。
今大事なのはこの状況をどう打破するかだ。
いっそ当たって砕けてしまおう。
そう腹を括ってレイは、階段の影からAに向かって歩き出す。
「どうしたA、一人でいるなんて珍しいな」
頑張れレイ!!
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めい - そこで終わり···ダトォ?!(ジョジョ風(多分)) (2月12日 19時) (レス) @page15 id: 16df366cc3 (このIDを非表示/違反報告)
桜峰瑠璃(プロフ) - 終わり…ダトォ!?!?(ジョジョ風) (2021年8月9日 19時) (レス) id: 643076eff9 (このIDを非表示/違反報告)
momo - 頑張ってください! 更新待ってます! (2021年4月21日 16時) (レス) id: 9f6e73b782 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - こ、コレで完結ですか,,,? (2020年11月26日 0時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
加代 - え!これ、完結したんですか!?この小説気に入ってたのに (2019年12月10日 22時) (レス) id: b88dbf05ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七冬 | 作成日時:2019年5月20日 17時