少女にして少佐

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「美味しいですね」

綺麗な色をしたこの飲み物はあっさりしていて美味しかった

「まぁまぁだな、それ深夜お勧めの飲み物なんだよ」

私の飲み物を指さしてそう言った中佐の顔が心なしか少し赤くなっている気がした

「中佐、お体の加減でも悪いんですか」

「なんでそう思った？」

「顔が少し赤いようなので」

「あー気にすんな。これ酒だから、そのせいだ」

「これお酒だったんですか？ジュースだと思っていました」

「ああ、お前も二十歳だし飲める歳だろ？」

「はい、ですが飲んだのは今日が初めてです。」

「そうか、まぁ心配すんな。酔ったら背負ってやる」

「酔わないように努力します」




そんなこんなで中佐との食事も終わりの時間を迎え私はコインランドリーの洗濯機から、洗濯物を持ち帰り、自室に戻る

洗濯物を干し、歯磨きをして、寝間着に着替える

時計を見れば１１時だ


明日は書類をしなくてはいけない、中佐は今日も食事代を出してくれたし帰り道もコインランドリーに寄るので断ったのに遠回りしてまで送ってくれた、今日のイタリアンのお店は一体いくらしたのだろうか？きっと高かったに違いない。

それにしても中佐は何故ここまで私にしてくれるのだろうか？

私に利用価値でもあるのだろうか？

私にはそんな大層な価値はない

ただの少佐のはしくれだ

他に強い人間など山ほどいるだろうに、何故私なんだろう？

そんなことを考えているうちに眠くなってきた



私はベッドに横たわり目を閉じた

そして眠りへと落ちていった







その日の夜は星と月が煌めき、空気は澄みわたり、夏の気怠げな暑さもどこかに去ったように涼しく、とても綺麗な夜だった

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