君と溺れて。【yt×hk】

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____俺にはずっと、好きな人がいる。
一目惚れ、ってやつだ。見た目だけで好きになるようなことは今までなかったのに、好きになってしまった。


「涼介？りょーすけー？」
「ん？……あぁ」
「また考え事？」
「そうかな」


知念は俺の顔を覗き込んだあと、首をかしげた。知念とは小学校からの付き合いで、高校に入ってからも、一緒にいない時はないのではないかというほど、長い付き合いだ。


「涼介、好きな人でもできた？」
「えっ!?」


正確に言えば、好きな人はずっと前からいるのだが。片想いに気づいてから早1年、その想いは日に日に増して、最近じゃ目を合わせるだけでも胸が苦しいほどになっている。このままじゃ体が持たない。


「やっぱり。出来たんでしょ？」
「ち、違うよ」
「違うか、前からいたけど、思いが増してくパターンか」


知念には俺の心が全てお見通しらしい。何を隠し通そうとしても、妙に勘の鋭い知念にだけは気づかれ、もっと僕を頼ってほしいと怒られる。小学校の頃は、知念が守られていたのに。成長とは恐ろしいものだ。


「なんで僕に教えてくれないの？」
「そ、それはー……」


____好きになった相手が、普通の人とは違うから。
俺が本当のことを言ったら、知念が離れていくような気がして怖い。最も、知念のことだから俺を見捨てたりも裏切ったりもしないことはなんとなく分かる。それでも俺が本当の事を言って、知念に余計な心配をかけさせたり、気を遣われるのが辛かった。

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